<春分の養生 – 眠りが整える心とからだ – >

<春分の養生 – 眠りが整える心とからだ – >

春分を迎えるこの時期、「寝る」ことがとても大切な養生になります。

陰陽五行論において、春は「木」の性質を持ち、

五臓では「肝」と深く結びついています。

「肝」は、気血の流れを調整し、感情のバランスをとる働きをしますが、

そのためには『十分な休息』が欠かせません。

特に「肝」は夜に血を蓄え、翌日への準備を整える臓であり、

春の時期にしっかりと眠ることで、その機能を最大限に発揮できるのです。

また、春の陽気が上昇すると、私たちの体内でも氣の流れが活発になり、

無意識のうちに活動的になります。

 外の気温が上がり、日照時間が長くなることで、

自然と目覚めが早くなる方も多いでしょう。 

しかし、春は「冬に蓄えたエネルギーをゆっくりと解放する時期」であり、

急に動きすぎると心身のバランスが崩れやすくなります。

そのため、夜はしっかりと眠ることで、体内の陽気の過剰な上昇を防ぎ、

エネルギーを穏やかに整えていくことが大切です。

経絡の視点から見ると、春は「肝経」と「胆経」が重要な役割を果たします。

陰の経絡である 「肝経」は足の内側を通り、目とも深い関係があるため、

春の時期に寝不足が続くと目の疲れやイライラ感が増すことがあります。

また、もう一つの陽の経絡である「胆経」は

夜11時から深夜1時頃に最も活発になり、

この時間帯にしっかり眠ることで、胆経の働きを助け、

スムーズな気の流れを促すことができます。

胆経に通るツボの中には「風池」が存在し、

YOGATOのセルフケアでは、毎回の準備として「頭と首の付け根ほぐし」を行います。

この大切なツボに優しく触れることが今の時期は

内側からのリラクゼーションと春のエネルギーバランス、

「胆経」を整えることにもなります。

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さらに、春の養生として「夜更かしを避ける」ことも重要です。 

冬の間は「早寝起き」が養生の基本(いっぱい休む)でしたが、

春分を迎えた今は「早寝起き」が推奨されます。 

これは、自然界のリズムに合わせ、夜の陰の時間にはしっかりと休み、

朝の陽気の高まりとともに目覚めることで、心身が調和しやすくなるためです。

特に、夜10時から深夜2時は「肝」の修復時間とされ、

この時間帯に深く眠ることで「肝」の働きが整い、

春のエネルギーを無理なく受け入れることができます。

 (子どもの成長にもこの時間の睡眠が重要だと言われますね。

その所以はここにあるのではないかと思います。)

春の目覚めの習慣もまた、

夜の眠りの質を左右します。 

朝起きたら、ゆったりとした深呼吸をして、軽く伸びをすることで、

夜の間に滞った気血を巡らせ、心身を目覚めさせることができます。

朝や日中に程よく運動する、ヨガをする、ウォーキングをする、、、

気血を巡らせることをしているのです、良いはずですね。

そして、先週書いたアーカイブコラムでも触れましたが、

目と後頭下筋群の深いつながり (参考にどうぞご覧ください。)

私たちの取り込む情報の8割は「目」からのものと言われます。

 目のために後頭下筋群や首のセルフケアをすることや、

影響を受ける経絡を整えることももちろん大切ですが、

「使わない」「休める」ことも忘れずにいたいですね。

寝る前のスマートフォンやパソコンの使用、

できるだけ減らしていきましょう。(私も!!!)

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今の時期は、一年のエネルギーが大きく切り替わるタイミング。 

秋冬の「陰」のエネルギーから、春夏の「陽」へ。

この時期にしっかりと眠り、心身を整えることで、春の気をスムーズに受け入れ、

次の季節へと無理なく移行することができるでしょう。

自然のリズムに寄り添いながら、「寝る」ことを意識して、

健やかな春を迎えていきましょう。

春になり、暖かくなると、、、「なんぼでも寝れる!!!」 

これは私たちの「本能」がそう言っているのだろう、そう思います。 

お昼寝もいいですね。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。