<目と後頭下筋群の深いつながり>

<目と後頭下筋群の深いつながり>

私たちは日々、たくさんの情報を目から取り入れています。

デスクワークやスマートフォン、読書など、視覚を使う時間は想像以上に長く、

それに伴って目の周りだけでなく、

首の奥深くにある「後頭下筋群」にも負担がかかっています。

この後頭下筋群は、頭の重さを支えながら、微細な動きを調整する重要な筋肉です。

特に、目の動きとも深く連動しており、長時間の作業や疲労が蓄積すると、

知らず知らずのうちに緊張が強くなってしまいます。こうした緊張が続くと、

首や肩が凝るだけでなく、首の骨(頚椎)の位置が歪み、

「ストレートネック」になりやすくなります。

※「ストレートネック」とは、頚椎の自然なカーブ(前方への湾曲)が失われ、

首が真っ直ぐに近い状態になることを指します。 

この状態が続くと、背骨全体のバランスにも影響を及ぼし、

肩や背中への負担が増すだけでなく、姿勢全体が崩れやすくなります。

具体的には、首のカーブが失われることで、骨盤が後ろに傾き、

背骨のなだらかなS字カーブが崩れが次第にお腹の力が抜けた姿勢へと繋がります。

例えば、お腹の力が抜けて骨盤が後傾することで、背筋を伸ばす力が失われます。

お腹周りに力が入らなくなり、体幹が不安定になります。

このため、腰や背中に余計な負担がかかり、

腰痛や肩こりが悪化することもあります。

さらに、身体の中心軸が崩れると、

呼吸が浅くなり、全身の血流が悪くなることもあるのです。

このように、後頭下筋群の緊張が首だけでなく、背骨全体や姿勢にまで影響を及ぼし、

全体のバランスを乱す原因になることがあります。

後頭下筋群は、頭と首の境目にあり、脳幹にも近い場所に位置しています。

そのため、自律神経とも深く関わりがあり、

緊張が続くと交感神経が優位になりやすくなります。

交感神経が優位になると、寝る前になっても頭が冴えたままでリラックスできず

、眠りに入るまでに時間がかかることがあります。

さらに、寝てもすぐに目が覚めてしまうといった不眠の原因にもつながります。

逆に、後頭下筋群をゆるめることで、副交感神経が働きやすくなり、

心地よい眠りへと誘われやすくなるのです。

さらに、この筋肉の緊張が解消されると、首の負担が軽減され、

背骨全体の自然なカーブが保たれるため、姿勢が改善し、

よりリラックスした状態で眠りに入れるようになります。

たくさんの情報を目から取り入れていると言われる私たちですが、

その量はなんと8割とも言われます。

それだけ目を酷使する生活の中で、目をコントロールしている一部である。

後頭下筋群に意識を向けてケアすることは、疲労の軽減だけでなく、

心身のリセットにもつながります。

後頭下筋群の緊張が緩和されることで、首や背骨の状態も改善し、

全身が軽く感じられるようになります。

トリガーポイント・ヨガセラピーで毎回行っているような『頭と首の付け根ほぐし』のように

後頭下筋群を緩めるセルフケアを取り入れることも重要ですがそれ以外にも、

・深呼吸をする(吐く息を長めにすると、緊張がほぐれやすくなります)

・頭を前にゆっくり倒すストレッチをする

・目の周りを温める、遠くを見る時間を作る

上記のように、シンプルなセルフケアを取り入れるだけでも、

後頭下筋群は少しずつほぐれ、目の疲れが和らぎます。

そして、首や背骨の形状が整うと、

背面が緩まることで前屈も深まり、全体調整になる。

何より、さまざまなセルフケア(特に全身の縦のつながり)が長持ちします。

このテーマに関して、

3月後半は深く掘り下げた内容をお話しできる機会がありそうです。

後頭下筋群の緊張を緩めることで得られる心地よい眠りや、姿勢改善の効果について、

より詳しくお伝えできる場を準備していますので、また改めてお知らせさせていただきます。

春の時期は、(特に春分を迎えるいまちょうどその時)

「寝る」が大事な養生です。(また来週どこかで書きます!)

心とからだを休める時間を大切にしながらお過ごしください。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。