ヨガと暦と。

ヨガと暦と。小暑

ヨガと暦と。

呼吸を通して、熱を調える

二十四節気 / 小暑
2026年7月7日〜7月22日の頃

本格的な夏の暑さが始まりを迎える小暑。

日差しは強さを増し、
周囲の空気も少しずつ熱を帯びていきます。
自然界のエネルギーが満ちていく一方で、
私たちのからだの中にも、じわりと熱がこもりやすくなる時期です。

この季節を健やかに過ごすための鍵は、

内側にこもる熱を上手に逃がし、
呼吸の通り道を健やかに保つことにあります。

暑さによって呼吸が浅くなったり、
なんとなくからだの重さを感じたりすることもあるかもしれません。

さらに小暑の後半からは、
暦の上で「夏土用(なつどよう)」の時期も重なってきます。
次の季節へ向かう手前の、からだが揺らぎやすい時期です。


外側の暑さに合わせて活動的になる日もあれば、
静かに涼を求めたくなる日もある。
熱を外へ逃がすことと、内側を涼やかに保つこと。
そのバランスを繊細に探していく時期です。

小暑は、暑さに抗って進むための季節というよりも、
自分の内側の風通しを良くするための季節なのかもしれません。

外からの熱に圧倒されるのではなく、
一度胸を開いて、心地よい風を呼び込むこと。
呼吸の出入りのように、
熱を受け入れながらも、
それを適切に調えていく力を思い出していく時間です。

・   ・   ・

今月の観察ポイントは「胸まわり」です。

暑さや湿気を感じる日ほど、
胸まわりが縮こまり、呼吸が小さくなりやすくなります。

そんなときは、座っているときや立っているときに、
少しだけ胸の中心の感覚を観察してみます。


呼吸のたびに、
胸がどのように動いているのか。



胸のあたりに呼吸が
通っている感覚はあるのか。



皮膚の突っ張りや、
硬さを感じる部分はあるのか。

胸を開き、スペースが生まれるだけでも、
からだの内側に涼しい風が吹き抜けるような
感覚に出会うことがあります。

・   ・   ・

この時期におすすめするのは、今回この二つのポーズです。
一つ目は「マツエンドラ・アーサナ(座位のねじり)」。

背骨をやさしく積み上げながら、
呼吸に合わせて優しく胸をひらいていくポーズです。

ねじりの動きは、
お腹まわりや背中・背骨に心地よい刺激を与え、
巡りを促してくれます。

大きくねじることよりも、
坐骨で安定した土台を感じながら、
吸う息で背骨が伸びていく感覚を観察してみるとどうでしょう。


吐く息とともに、
胸や肩まわりに生まれる変化を感じてみてください。

少しずつ空間が生まれることで、
呼吸も自然と広がっていきます。

暑さで内側がこもりやすい季節だからこそ、
背骨を通る風通しの良さを味わってみてください。

そして二つ目は
「ウシュトラ・アーサナ(ラクダのポーズ)」

胸を大きく開く動きは、呼吸の通り道に広がりをもたらし、
内側にこもったものをやさしく解放してくれます。

深く後屈することよりも、胸の広がりや、
その変化を観察してみてください。

暑さが本格化していく季節の中で、
自分自身の内側の通気性を確かめるような時間になるかもしれません。

また、小暑の後半から入る夏土用の期間には、
胃腸への負担や、
知らず知らずのうちに溜まった疲れが表面化しやすくなります。

暑さが極まる前に、
胸を開いて呼吸の通り道をしっかりと確保しておけるといいですね。

こうした日々のささやかな実践が、
からだの奥に余白をつくり、
揺らぎやすい土用の時期をすこやかに過ごすための養生につながっていきます。

どちらのポーズも、
今のからだにちょうどよい場所を探しながら。

呼吸とともに移り変わる、
からだの感覚を味わってみてください。



・   ・   ・

日々のYOGATOのクラスでは、
こうした季節の変化とからだの状態を重ねながら、
クリパルヨガとセルフケア整体を実践しています。

目指しているのはポーズの完成ではなく、
からだの変化に気づいていくプロセスです。

そんなふうに実践を続けていると、
気づけばポーズも少しずつ変化していきます。

形を追いかけるのではなく、
からだとの対話を重ねた先に生まれる変化なのかもしれません。

季節の移ろいを眺めるように、
自分のからだに起きている小さな変化を観察してみるのも面白いものです。

YIN YANG(陰陽ヨガ)のクラスでは、
季節の流れに合わせた実践をお届けしています。

夏には夏の、
土用には土用のアプローチを。


朝や夕方の少し涼しい時間に、
ゆっくり呼吸をする時間をつくってみましょう。

外の暑さに目を向けるだけでなく、
吸う息の涼しさや吐く息の温かさ、
胸のひろがりから伝わる内側の空間の感覚にも意識を向けてみます。


活動量が増える季節だからこそ、
内側を調える休息もまた実践のひとつです。

巡りを促したい日と、
静かに涼を味わいたい日。
そのどちらも季節の流れの中にあり、
からだはそのあいだで絶えず均衡を探し続けています。

暑さが始まる小暑の頃。
外へ向かう熱と、
内側を調える涼しさのあいだで揺れながら、
私たちのからだもまた、
盛夏へ向かう準備を静かに始めています。


・   ・   ・

これからの「ヨガと暦と。」は、
大体1週間くらい前の週末に投稿します。

暮らしもセルフケア整体も、
少し季節を前どりするくらいがちょうどよかったりします。

そして時に養生は、
逆戻りすることもあります。

暑くなったと思ったら涼しくなったり、
調子が良い日もあれば、少し休みたくなる日もある。

季節もからだも、グラデーションなのです。

・   ・   ・

最後に、
今月の「ヨガと暦と。」のお写真は、
京都で暮らす写真家 lilfram_ さんの作品です。

言葉で綴る暦とともに、
お写真からも季節の移ろいを感じていただけたら嬉しいです。

Instagram:@lilfram_