肩をゆるめようとしても、どこか抜けきらない。
呼吸を深くしようとしても、うまくいかない。
そんな感覚の背景には、肩や首だけでなく、
身体の奥にある小さなつながりが関係していることがあります。
4月は、広がる季節。
草木が芽吹き、空へとひらいていくように、
私たちのからだもまた、内側から少しずつほどけていく。
今回は、脇の奥にある「前鋸筋(ぜんきょきん)」という筋肉を入り口に、
肩・呼吸・姿勢のつながりを見つめていきます。
脇の奥にある前鋸筋と、肩甲骨・呼吸の関係
「前鋸筋」は、肋骨の外側から肩甲骨の内側へと走る筋肉です。
肩甲骨を胸郭に安定させる、静かな支えのような存在。
この筋肉が強張ると、肩甲骨の動きは制限され、
胸まわりの広がりも小さくなります。
その結果、呼吸は浅くなり、
姿勢にも影響が現れてきます。
呼吸は横隔膜だけで行われているわけではなく、
肋骨や肩甲骨まわりの動きとも深く関わっています。
前鋸筋にやわらかさが戻ることで、
呼吸は無理に深くしようとしなくても、自然と広がりやすくなります。
日常でできる、前鋸筋のやさしいセルフケアをしてみましょう。
セルフケア整体クラスでは、前鋸筋に直接手で触れていきますが、
日常の中では、もっとシンプルに感じることができます。
腕と肩をゆっくり回しながら、
脇の下にある前鋸筋のあたりに、意識を向けてみてください。
腕はどこから動き始めているでしょうか。
肩の奥や、背中とのつながりはどうでしょう。
とくに、後ろへ回して腕を引き下げるとき。
脇の奥に、さりげない働きを感じやすいかもしれません。
いつもより少しだけゆっくりと動かしてみると、
動きの中にある細かな変化や、ひっかかりに気づくことがあります。
その感覚に気づいたとき、
からだは静かに、けれど確実に変わりはじめます。
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筋肉は単独で働くのではなく、
筋膜というつながりの中で、全体として呼応し合っています。
前鋸筋に触れていくと、
複数の筋膜のつながりが自然と連動していきます。
筋膜のつながりは、こちらのページもご参照ください。
からだをつなぐ筋膜の地図 – 筋膜ライン図鑑
体側を通って足元へと続く流れ(外側線)や、
斜めに身体を支えるつながり(螺旋線)。
そして東洋医学でいう「胆経」にも重なる体側のラインに、
変化を感じる方もいるかもしれません。
そうしたつながりは、動きの中でも少しずつ現れてきます。
からだの側面が足元へと続いていく感覚。
ねじる動きが軽くなるような変化。
腕が、肩だけでなく背中から動いていくような広がり。
脇の下を整えることは、肩だけの問題ではなく、
足元の支えや体幹の安定、そして腕の自由さへとつながっていきます。
前鋸筋は、そのつながりの中継点のような場所なのかもしれません。
呼吸が整うと、からだ全体が変わりはじめる
前鋸筋がゆるむと、肩甲骨が本来の位置に戻り、
肋骨のまわりにやわらかな空間が生まれます。
呼吸を深くしようとしなくても、
自然と深まっていく。
それは、からだ全体が呼吸に関わりはじめたサインでもあります。
肩の重さが抜けるとき、
部分だけではなく、からだ全体の調和が戻ってきた合図です。
ひとつの場所から整えていくことで、
全体へとつながっていく。
そんな感覚を、日常の中でも少しずつ感じてみてください。
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今回ご紹介したような、
からだの内側のつながりを感じながら整えていく時間を、
YOGATOのクラスの中で大切にしています。
ご自身で整える感覚を深めたい方は、
YOGATO のクラスも覗いてみてくださいね。
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