私たちは日々の中で、ほんの小さなサインに出会っています。
腰の重さや肩のこわばり、呼吸の浅さ・・・
その一つひとつが「気づき」であり、変化の入口です。
ヨガとセルフケアの実践から見えてくる、日常にある内観のお話をお届けします。
日常にひそむ小さな気づき
暮らしの中で、ふと自分に起こる変化に気づく瞬間があります。
朝起き上がるときの腰の重さ、夕方に肩が張る感覚、
人との会話のあとに残る微かな心の揺れ。
そうした些細なサインを「なかったこと」にするのは簡単です。
けれども、それらに気づくことは、自分を整える入口となります。
ヨガで大切にしているのも、この「気づき」です。
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気づきは変化の入口
ポーズをとりながら「ここが突っ張っている」と感じるだけで、
からだは少しずつ応えてくれます。
劇的に変わらなくても、気づいた事実そのものがからだを目覚めさせるのです。
ただし、その気づきは必ずしも心地よいものではありません。
強いこわばりや、心の奥に眠っていた感情に出会うこともあります。
それは変化の扉になることもあれば、受け止めきれずに一時的に閉じてしまうこともある。
どちらも自然なプロセスで、無理に「変えよう」としなくても大丈夫です。
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避けたくなる気づきも無駄ではない
私自身も、かつて腰痛に悩まされていた頃、
セルフケアをしても声が出るほどの痛みに襲われる時期がありました。
そのときは「もう見たくない」「嫌だ」と思うばかりでも、
やっぱり良くなりたいと願っていました。
後になって振り返ると、あの経験があったからこそ「今」があります。
気づきを避けてしまう時期があっても、それは無駄ではありません。
自分のタイミングで再び向き合える日が必ず訪れます。
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日常の中にある内観
日常でも同じことが起こります。
呼吸が浅くなっていることに気づく。
同じ人間関係のパターンが繰り返されていることに気づく。
外の出来事が内側を映し出してくれる瞬間があります。
その小さな気づきを丁寧に受け止めることが、
心とからだを整える力につながります。
ヨガの実践はマットの上だけではなく、
暮らしの中に息づいていくものです。
ほんの一瞬立ち止まり、自分の内側に耳を澄ませること。
その積み重ねが、変化を受けとめるやわらかさを育み、
心とからだをゆるやかに変容へと導いてくれます。
すべては、気づくことから始まるのですね。