<秋の経絡 指先、肩から内へつなぐ 大腸経のめぐり>

<秋の経絡 指先、肩から内へつなぐ 大腸経のめぐり>

秋は、肺と深く関わる季節。

そして中医学では、「肺経」と「大腸経」は表裏の関係にあり、

お互いが影響し合いながら働くと考えられています。

肺の機能が弱まると大腸にも影響が及び、

逆に腸内環境の乱れが肺の力を低下させることもあります。

「大腸経」は、人差し指の爪の親指側から始まり、

腕の後ろ外側を通って肩、首を経て小鼻の横まで流れます。

その流れはさらに胃経へとつながり、消化や代謝の働きにも関わります。

指先から肩、そして内側へと巡るこの経路は、

肩のこりや張りにも深く関係しているんですね。

これからやってくる秋は空気が乾燥し、

からだの潤いが不足しがちです。

”腸”の水分量が減ると便秘やお腹の張りなどが起こりやすくなり、

それがさらに肺の負担となって呼吸のしづらさや

免疫力の低下を招くこともあります。

だからこそ、この時期は大腸経の巡りを整え、

肩から内側への流れをスムーズにすることが、秋の養生の大切な一歩になります。

この時期の『YINYANG』のクラスでは、秋の経絡、

腕の外側に沿って「大腸経」の流れを意識し、

指先から肩、首へとやさしく「さわさわ なでなで」したり、

つながりを意識したポーズをとっていきます。

肩や首の緊張がほどけると同時に、呼吸もふっと楽になります。

外からのケアが内側の巡りを助ける瞬間です。

大腸の調子を整えるには、腸内環境を育む食事も欠かせません。

味噌や醤油、ぬか漬けなどの発酵食品は、

腸内の善玉菌を増やすサポートになります。

毎日どんな時もある『食事の時間』、食での養生もいたしましょう。

ただし、どんな食品も「ほどほど」が大切です。

温かい汁物や蒸し野菜と組み合わせて、

からだを冷やさずに摂ることを心がけたいですね。

また、大腸経の流れを意識したストレッチやヨガのポーズもおすすめです。

腕を前から上に伸ばし、ゆっくりと後ろに引く動きや肩まわしは、

大腸経を含む腕の外側全体の巡りを促します。

呼吸とともに動くことで、腸内の動きもやわらかく活性化されていきます。

季節が陽から陰へと移り変わるとき、からだも同じように変化しています。

指先から肩、そして内側へとつながる大腸経の巡りを整えることは、

免疫力や呼吸のしやすさを守ることにつながります。

この秋、日々の中で少しずつ腕や肩に触れる時間を持ってみてください。

そのやさしい習慣が、秋の深まりの中でも軽やかに過ごせるからだを育ててくれます。

今日も最後まで、ありがとうございます。