"100 Basics of YOGATO"

“100 Basics of YOGATO”  008  持ちすぎない

"100 Basics of YOGATO"

“100 Basics of YOGATO”  008  持ちすぎない

持ちすぎると、身動きが取りにくくなる――

これは物理的な現象だけでなく、心理的にもよく起こることです。

多くの物や情報に囲まれていると、それらを管理するだけでエネルギーを使い、

自由な選択肢が減ってしまうことがあります。

反対に、必要なものだけを選び取ることで、心や生活に余白が生まれ、

軽やかに行動できるようになるのです。


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東洋医学では、「気・血・水」がバランスよく流れている状態が健康であるとされます。

しかし、持ちすぎるとこのバランスが乱れることがあります。

たとえば、不要なものが部屋にあふれていると、「気」の流れが滞り、

空間だけでなく、私たち自身も重く感じられることがあります。

また、情報過多の状態は、思考や感情を必要以上に掻き乱し、

心身にストレスを与えることがあります。

心理学的にも、選択肢が多すぎると人は迷いやすく、決断疲れを起こすことが知られています。

物理的にも精神的にも「持ちすぎる」ことは、私たちの快適な生活に影響を与えるのです。


以前の私は、物や情報を「いつか役に立つかも」と溜め込むタイプでした。

特に書類や洋服は「捨てるのはもったいない」「思い入れがある」
そういった感情から、収納スペースを埋め尽くしていました。

しかし、その結果、何かを探すたびに手間がかかり、

日々の生活が煩雑になっていました。

何を持っているのか、把握できていないものさえありました。


きっかけは引越し。持ち物を見直すことにしました。

一人暮らしにしては多すぎる荷物。

特に洋服と本は「お気に入りだけを残す」「お気に入りであったとて、

2年着てなければさよならする」

「本当にそばに置いておきたい本なのか」「デジタルでも納得がいくのか」

自分に問いかけるようにしました。


そうした生活にしてみると、物欲がものすごく減りました。


若い頃の物欲はなんだったんだろうか、

あんなにLIVEに行きたかった自分は、何を埋めようとしていたのだろうか・・・

ふと思い出す時があります。

20年前の自分と比べたら、かなり身軽になったなと感じます。


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ヨガの哲学にも、「持たない」ことを大切にする教えがあります。


「アパリグラハ」と呼ばれる非所有の考え方は、




必要以上のものを持たず、欲を手放すことを指します。物理的な所有だけでなく、

執着やこだわりを手放すことも含まれています。




この教えを実践することで、心が軽くなり、自由に生きられるようになるのです。

ヨガの練習そのものも、「持ちすぎない」アプローチが効果的です。



たとえば、無理にたくさんのポーズをこなそうとするより、

一つのポーズを丁寧に深める方が充実感が得られることがあります。

また、練習の場でも「これがないとダメ」という固定観念を減らし、

今持っているもので楽しむことが、より豊かな体験につながります。

では、具体的にどのように「持ちすぎない」暮らしを実践できるのでしょうか?





今あるものを見直す
部屋やデスク周りを見て、最近使っていないものをチェックしてみましょう。

「1年以上使っていないものは不要」といったルールを作ると、判断しやすくなります。

私は少し収集癖があります。なのでどうしても1年では無理で、2年設定にしました。

マイルールいいのです。誰に決められるものでもありません、気楽にやりましょう。

感謝して手放す
不要なものを手放す時には、「これまでありがとう!」という気持ちを持つことも大切です。

感謝の気持ちを込めて手放すことで、次に必要なものを迎える準備が整います。

良い別れをしたいですね。

新しいものを迎える時に考える
「これを持つことで生活が本当に豊かになる?」と問いかけてみてください。

安易に手に入れることを避けるだけでも、無駄なものが増えにくくなります。

そして、身の回りのものを大事にするようになります。

情報を整理する
SNSやニュース、メールなど、情報も同じように整理が必要です。

フォローするアカウントやメルマガを見直し、本当に必要なものだけを残してみてください。

私は大人になってからすぐにテレビを手放しました。

それはなぜか、「めちゃくちゃテレビっ子」だったから。

社会人初めての一人暮らしの時に自分を律するために、お金もない、時間もない、ならいらない。

そんな選択でしたが、今振り返るとあの時の私に
「ナイス選択!」と声をかけたい気持ちです。

心の持ち物も軽くする
物理的な持ち物だけでなく、心に抱えている悩みやストレスも、

持ちすぎないことを意識しましょう。

紙に書き出して整理するのも効果的です。

私は「レコーディング」「メモ」を推奨しています。

とにかくただ書く。短くても、まるばつでも良いから「今」起きていること、感じていることを

書くのです。状況把握が客観的にできることは心の落ち着きにも影響します。

「持ちすぎない」という選択は、単に物を減らすだけでなく、

私たちの生活や心に余白を作る行動です。

この余白は、私たちが新しいアイデアを受け入れたり、

自由に行動したりするためのスペースを与えてくれます。

あなたもぜひ、目の前にあるものを見直し、
「持たない」心地よさを体験してみてください。


身軽になることで、これまで気づかなかった

新しい可能性が広がっていくはずです。