<五本の指と五大元素——ムドラを理解する入口>
ヨガの世界では、私たちの存在は「五大元素」によって成り立っていると考えられています。
火(アグニ)、風(ヴァーユ)、空(アーカーシャ)、地(プリトヴィ)、水(ジャラ)。
この五つは、からだと心、そして自然界のあらゆる現象の基盤とされてきました。
実は、この五大元素は私たちの「指」とも結びつけられています。
・親指=火(Agni)
変容とエネルギーの象徴。消化の力や意志を燃やす力に関わります。
・人差し指=風(Vayu)
呼吸や動きを司る風の象徴。プラーナの巡りや変化を促します。
・中指=空(Akasha)
広がりと空間の象徴。すべての元素を包み込み、静けさや聴覚と結びつきます。
・薬指=地(Prithvi)
安定と基盤の象徴。骨格や肉体を支え、大地に根ざす力を表します。
・小指=水(Jala)
流動性や感情の象徴。血液や体液、心のやわらかさとつながります。
このように、それぞれの指は自然界のエネルギーと重ねて理解されてきました。
だからこそ、特定の指どうしを結ぶ「ムドラ」は、ただの手の形以上の意味を持ちます。
たとえば、今日のクラスで行った、
親指(火)と人差し指(風)を合わせると「チン・ムドラ」になります。
風は火を燃やすのに不可欠な要素。ここに火が灯り、意識が静かに内側へ向かいます。
呼吸を落ち着かせ、心を調和へ導く手の形です。
また、親指(火)と薬指(地)を合わせる「プラーナ・ムドラ」では、
生命エネルギーが高まり、内側から活力が育まれると伝えられています。
もちろん、こうした説明はシンボル(象徴)でもあります。
けれど実際に手を形づくり、呼吸を合わせてみると、
不思議と呼吸や心の質が変わることがあります。
その小さな変化を感じることが、ムドラを学びはじめる第一歩なのかもしれません。
五本の指に秘められた五大元素のつながりを知ると、
これから出会うムドラの意味もぐっと豊かに感じられるはずです。
どうぞ次のクラスで、実際にその体験を味わってみてください。
毎月ピックアップしたムドラ(今月はチン・ムドラ)はHPブログに紹介と簡単に私の考察を
シリーズにしてお届けします!
ぜひそちらも近日中に投稿しますので待っていてくださいね。
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そして少し先のご案内を。
12月にはYOGATO初めての外部講師をお迎えして、「アーユルヴェーダWS」を開催します。
基礎を学べる座学に加え、日常に活かせる実践を体験できるワークショップです。
アーユルヴェーダでは「風・火・地・水・空」が
ドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)の理論につながります。
今日触れた五大元素を知っておくと、
アーユルヴェーダの世界にも自然と入りやすくなるんですね。
もしご反響をいただけたら、
オンラインでの“ギー作り”や“チャイ作り”なども…と講師方と構想しています。
10月からの「ムドラと呼吸法」シリーズ、
そしてWS「季節を味わうヨガ〜チャクラの旅を通して〜」。
そのすべてが五大元素や微細体やプラーナを糸口に、
ひとつながりの学びへと広がっていきます。
どうぞ楽しみながら、感じられる瞬間を味わってください。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
