<スプタ・バタコーナ・アーサナ – 使って、ゆるむ>
座位のやさしいツイスト「ヴァクラ・アーサナ」で背骨をゆるやかにねじったあと、
今日のクラスでは仰向けの
「スプタ・バタコーナ・アーサナ(仰向けのバタフライのポーズ)」で、
静かな集中の時間に入りました。
膝を左右に開き、両脚の裏を合わせて、つま先を持ち、腕を伸ばします。
まずは背中を安定してあずけ、呼吸を繰り返します。
頭や肩は軽く上げる程度でいい。
上下に広がるような伸び、引っ張られている感覚を受け取ります。
まだ何も感じられなくてもかまいません。
少しずつ、“からだの声”を聞くのです。
このポーズでは、脚の重みを感じながら
“下に押し下げるように支える”働きがポイントになります。
内ももは、伸ばされながらも使われている。
その上下のバランスの中に、自然な緊張とゆるみのリズムが生まれます。
胸や肩まわりでも同じです。
足を押し下げることで自然に胸や肩が引かれ、
呼吸を重ねるうちにその張りがやわらいでいく。
そこに逆らわず、リラックスして受け入れます。
“使って、ゆるむ”——その循環が、からだの自然な弛緩を導いてくれます。
筋弛緩法(きんしかんほう)と同じ原理です。
筋肉をいったん“ぎゅっ”と働かせ、次に“ふわっ”とゆるめる。
その対比の中で、自分の力の入り具合や抜け方に気づいていきます。
太陽礼拝のように“呼吸と共に動きの中で整える”ことも、
スプタ・バタコーナ・アーサナのように“呼吸と共に静けさの中で整える”ことも、
どちらもヨガの大切な側面です。
動と静、緊張と弛緩、そのあいだを行き来すること。
この感覚は、実はどのアーサナの中にも、度合いは違えど存在しています。
日々のアーサナの中での内観のヒントにしてみてください。
そしてもし今夜、少し呼吸が浅いと感じたら、緩みを受け取りたくなったら、
寝る前にこのポーズを試してみてください。
頭を上げなくてもいい。仰向けバタフライの形で、
足裏を押し合いするだけでもいいのです。
2〜3呼吸するだけでも、小さな変化を感じることと思います。
そのときも、頭頂は上へと押し上げるように、
からだのプレスポイントをやさしく意識してみてください。
脚を開いた際は、外ももの下にクッションやブランケットを入れて、
安心してゆだねられるようにサポートしてあげましょう。
そして、アーサナから離れ、
手放した後はお腹や胸に手を置き、
息の長さを感じるように呼吸を聴く。
その繰り返しの中に、
からだの奥に眠っていた静けさが目を覚ましていきます。
ゆるめるとは、本来私たちが持つ力を取り戻すための準備なのだと思います。
この時間が、そんな“やわらかな回復”のきっかけになりますように。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
