5月のやわらかな風が、新緑を揺らす季節になりました。
日々見上げる六甲山の緑も、日に日に鮮やかさを増していきます。
YOGATOのクラスのはじまりには、
センタリング(自分の中心の確認)とともに、
ほぼ毎回、完全呼吸(ディルガ・プラーナヤーマ)を取り入れています。
その前提として、大切にしているのが「スカ(Sukha)」という感覚です。
スカとは、「心地よさ」「安定」「無理のない広がり」をあらわす言葉です。
日々行っているスカ・アーサナ(胡座の姿勢)も、
そのポーズの中で「スカ」でいられる場所、
心地よくいられる場所を、丁寧に探っていきたいですね。
呼吸も同じ。
正しく行うことよりも、
今の自分にとって心地よいかどうか。
その感覚を頼りに、呼吸を意識的に動かし、流すことから始めていきます。
もうすぐ立夏を迎え、自然界のエネルギーが外へと広がりはじめる時期です。
それに呼応するように、私たちのからだも準備を始めています。
今この春土用の時期の呼吸は、
いわば「内側のお掃除」であり、「静かなアイドリング」のようなもの。
形を整えようとするのではなく、
ただ「心地よさ」を頼りに、呼吸を流してみる。
お腹がふくらみ、
肋骨が横に広がり、
胸へと空気が満ちていく。
その一連の流れの中で、滞っていた内側の巡りがほどけ、
からだが少しずつ「動く準備」へと向かっていきます。
・ ・ ・
呼吸は、いつも「今の自分」を教えてくれます。
この呼吸は、心地よいか。
どこかに力みや、滞りはないか。
もし、かたさを感じる場所があれば、
それはアーサナと同じように、今のエッジ(境界)かもしれません。
(エッジとは?こちらをご参照ください)
▶︎https://yogato.jp/エッジの探究クリパルヨガの本質にふ/
無理に広げるのではなく、
窓を開けて風を通すように、やさしく呼吸を届けていく。
この感覚を味わってから動きはじめると、
そのあとのアーサナやフローの質が、自然と変わっていきます。
呼吸が流れていると、
動きの中にも、静けさが残り、そのアーサナの持つプラーナが動き出す。
「ひと呼吸、ひと動作」
「行ったり来たりする、その中での変化」
そのリズムは、急ぐためではなく、
自分の内側の流れに身をゆだねるためのものです。
お腹のやわらかな動き。
肋骨がひらく感覚。
胸に新しい空気が入る軽さ。
よく観察してみると、からだは小さく変化していきます。
それらを感じながら動いていくと、
呼吸もアーサナも少しずつ「自分のかたち」に育っていきます。
誰かと比べる必要も、
決まった呼吸の長さに合わせる必要もありません。
カウントする呼吸法にももちろん良さがありますが、
それを一度手放し、今の自分の呼吸を見守ってみる。
今、この瞬間の呼吸が、
肺のすみずみへと広がっていく感覚。
そこに意識を向けることから、
今日のヨガを、そして日々の生活を始めてみてください。
5月の光と風の中で、
皆さんの呼吸が、静かに広がっていきますように。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
