目次(開く)
- 腰痛と腸腰筋の誤解
- 腸腰筋は背骨・骨盤・横隔膜とつながっている
- ストレッチや筋トレが逆効果になる場合
- 私自身の腰痛体験から気づいたこと
- セルフケアの安全な“順番”
- 山のポーズから学ぶ安定のヒント
- プレスポイントと内側の支え
- 横隔膜ケアがもたらす変化
- 体型や筋力よりも大切なこと
- 日常に生かす腰痛ケア
- まとめ ― 鍛えるより緩めよう
1. 腰痛と腸腰筋の誤解
腰痛を経験したことがある方なら、一度は思ったことがあるかもしれません。
「筋力が足りないから腰が痛いのでは?」
「腸腰筋が弱っているから腰痛になるって聞いた。だから鍛えなきゃ」
けれど実際に多くの方のからだを見てきて思うのは、
腸腰筋は弱っているのではなく、
固く縮んで動けなくなっているケースが圧倒的に多いということです。
その状態にさらに「鍛える」という刺激を重ねてしまうと、
かえって負担になり、症状が悪化することすらあります。
2. 腸腰筋は背骨・骨盤・横隔膜とつながっている
腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)は、腰椎から骨盤・大腿骨へとつながる深層の筋肉。
・姿勢の安定
・歩行や立ち上がりの動作
・横隔膜と連動した呼吸
といった役割を持っています。
固まってしまうと、骨盤が傾き、背骨は動きにくくなり、呼吸も浅くなります。
だからこそ最初のステップは 鍛えることではなく、緩めること。
3. ストレッチや筋トレが逆効果になる場合
「腰痛にはストレッチ」と言われ、前ももを強く伸ばした経験はありませんか?
軽い疲れや腰の張りなら有効ですが、
腸腰筋が硬い人ほど前もももパンパンに張っていることが多いのです。
その状態でストレッチをすると、腰や股関節を痛めるリスクがあります。
4. 私自身の腰痛体験から気づいたこと
実はこれは、私自身がかつて経験したことでもあります。
ひどい腰痛で歩けなくなり、病院では手術をすすめられたこともありました。
その頃は何も知識がなかったため
「筋力が足りないのでは」と思い込み、いろいろな腰痛改善トレーニングや
ストレッチを試しましたこともありましたが、むしろ悪化するばかり。
“緩める、ほぐす”という大切さと楽になっていく事実を知り、
セルフケアやヨガを通して少しずつ回復していったのです。
そこから「ヨガの基礎の重要性」や「セルフケア整体の力」に気づき、
それを伝えていくことが、いまYOGATOを主宰することにつながりました。
5. セルフケアの安全な“順番”
YOGATOでは
「横隔膜とお腹まわりをほぐす → 呼吸を深める → 前ももケア」 という順番を大切にしています。
もっと詳細にいうと、全体を緩めることを大事に整えます。
・頭と首の付け根ほぐし
・肋骨の下に手を添えて呼吸と合わせてほぐす
・お腹の緊張をゆるめるワークをする
こうした下準備をしてから前ももをリリースすると、
自然に動きやすさが広がり、安全にケアを続けられます。
6. 山のポーズから学ぶ安定のヒント
ヨガの基本ポーズ「山のポーズ(タダーサナ)」は、シンプルですが奥深いアーサナです。
足裏で大地を踏み、骨盤と背骨を積み重ね、頭頂までが自然に伸びていく。
ここで腸腰筋や横隔膜が固まっていると、見た目は整っていても内側は安定しません。
緩んだ腸腰筋と呼吸が支えとなることで、初めて「内側からの安定」が育ちます。
7. プレスポイントと内側の支え
クリパルヨガで大切にしている「プレスポイント」は、
- 尾骨を下げて骨盤を立てる
- 足裏で床を押す
- 顎を軽く引き、頭頂を上に伸ばす
というシンプルな意識の積み重ねです。
腸腰筋や横隔膜がやわらかく働いていると、この流れがスムーズにつながり、
外側の形ではなく内側の支えによってからだは安定します。
8. 横隔膜ケアがもたらす変化
横隔膜は呼吸の要であり、自律神経や内臓機能にも影響します。
・長時間の座位
・ストレス
で硬くなると、呼吸が浅くなり腰や首に負担がかかりやすくなります。
肋骨の下に手を添えて呼吸とともにほぐす、章門や期門のツボを軽く押す。
そんな小さなケアでも横隔膜はやわらかさを取り戻し、
腸腰筋と連動して全身の巡りを助けます。
9. 体型や筋力よりも大切なこと
「腰痛は筋力不足だから鍛えるべき!」
「太っているから腰に負担がかかる?」
そう思っている方もいるかもしれません。
けれど実際には、体型や筋力ではなくバランスが大切です。
腸腰筋や横隔膜を緩め、呼吸を取り戻すことで、
体格に関係なく腰は整っていきます。
10. 日常に生かす腰痛ケア
セルフケア後に「少しだるい」と感じるのは、変化が始まったサインでもあります。
整体を受けた後のように、一時的に調整が起きているだけ。
そんなときは水を多めに飲み、体液循環を促して静かに休みましょう。
太ももや臀部の大きな筋肉を撫でて擦ってみることもおすすめです。
ヨガの前屈や後屈の動きでも
「足裏で床を押す」「骨盤を動かす意識」を忘れないだけで、からだは安全に整います。
11. まとめ ― 鍛えるより緩めよう
腰痛は「鍛えなければ治らない」ものではありません。
むしろ、固まった腸腰筋や横隔膜を緩め、
からだ全体のバランスを整えることこそが改善への第一歩です。
鍛える前に、まずは緩める。
その順番を意識するだけで、腰は軽く、姿勢は整い、呼吸は深まっていきます。
🌱焦らず、やさしく。からだの声を聴きながら、
本来の力を取り戻していきましょう。
もし「一緒に腰痛改善に取り組んでみたい」と思われた方は、
気軽に 2週間体験 へお越しくださいね。
皆さんの健やかな日々と未来に。
その歩みに、そっと寄り添えたら嬉しいです。
YOGATO うおざきよしこ