ヨガと暦と。[立夏]
二十四節気(にじゅうしせっき)/立夏(りっか)
5月5日頃〜5月19日頃までの時期
春から夏へと季節のバトンが渡されるころ、
二十四節気は「立夏(りっか)」を迎えます。
立夏とは、暦のうえでの「夏のはじまり」。
太陽の光がいよいよ力強くなり、風の中にも夏の気配が混ざりはじめます。
山や田畑の緑は一段と鮮やかに、
木々の葉はしっかりとその姿を広げ、
自然界のエネルギーが上昇し、満ちていくのを感じる季節です。
季節の巡りに呼応するように、
私たちの心やからだも、外へと向かう動きをはじめます。
気持ちが明るくなったり、活動意欲が湧いてきたり。
でもその反面、エネルギーが急に立ち上がることで、
気が上にのぼって落ち着かなかったり、
心がそわそわしたり、夜の眠りが浅くなったりすることもあります。
そんな「立夏」の時期こそ、
呼吸をゆっくりと整え、
心身の熱をやさしく鎮めてくれるような時間を大切に過ごしましょう。
この時期に意識したいのは、「心(しん)」火のエネルギーと
「肝(かん)」木のエネルギーの調和です。
五行では、「肝(のびやかさ・情緒のバランス)」から
「心(こころ・血流・精神活動)」へと移っていく流れがあります。
この巡りがうまくいくことで、心が穏やかに保たれる。
気が上に昇りすぎるこの季節には、
足元を感じるポーズで下半身の安定感を育てながら、
胸をやさしく開いて、呼吸の広がりを味わってみましょう。
そんなときにおすすめなのが「三角のポーズ(トリコン・アーサナ)」です。
●三角のポーズ(トリコン・アーサナ)
足を大きく開いて立ち(肩幅二つ分程度、正三角形を脚で作る)、
右のつま先を横に、左足はやや内側に向けます。骨盤を立てる。
吸いながら腕を肩に高さに広げて伸ばし、5点星を作る(両足、両手、頭頂の5点)
骨盤は正面に向けたままで、、、足裏床を押しながら
腰を少し左側へずらし、右の股関節を「くの字」に。
息を吐きながら、上体を右に少し倒し、右手をすねや膝以外の安定する場所へ添える、
またはブロックの上へ。
左手は天井へ向けて伸ばし、視線は心地よければ上へ。
足元はバランスよく床を押し下げ骨盤は立てた状態でひらき、
胸を広げ、数呼吸キープ。反対側も同様に。
このポーズは、足元の安定とともに、胸まわりを大きく広げてくれます。
心のスペースが広がるように、呼吸の流れを感じてみましょう。
足の裏で大地をしっかり感じながら、エネルギーを「下へ」と押し下げ通していくイメージ。
そして同時に腕や手、頭頂は広がり5点(両足、両手、頭頂)が広がっていく。
首に負担がある方は視線を横や下に、手の位置も無理のないところでOK。
ポーズの完成形ではなく、自分の「今」に寄り添って行いましょう。
「立夏」の養生ポイントは、、、
・足湯やぬるめのお風呂で気を下げる
活動的になる季節だからこそ、夜はしっかりリセットを。
ふくらはぎ〜足裏をあたため、全身の巡りをととのえましょう。
・苦味のある野菜やハーブを食事に
春菊、せり、ふき、バジル、セロリなど、
苦味は心の火を鎮め、消化を助けます。からだの余分な熱をスーッと抜いてくれます。
・「余白」をつくるスケジュールを
頑張りすぎるとエネルギーが燃えすぎてしまう時期。
予定の詰め込みすぎに気をつけて、
“なにもしない” 時間も入れて、予定のひとつにしてみましょう。
・ ・ ・
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夏のはじまり。
まぶしい光とともに、また一歩、外の世界へとひらかれていく自分自身。
その歩みに寄り添うように、ヨガと養生を。
この時期ならではの“リズム”を感じながら、心地よい季節をお迎えください。
YOGATO うおざきよしこ