<整える順番の話 – 偏りに気づくとき、身体は変わりはじめる – >

<整える順番の話 – 偏りに気づくとき、身体は変わりはじめる – >

トリガーポイント・ヨガセラピーの「腰痛改善・予防」、

そして「深前線を緩めるセルフケア」・・・

このお腹に触れることにだんだん慣れ、柔らかさも感じていたら
次は「太もも」へと、どんどん意識を向けてみましょう。

お腹と太もも。実はこのふたつの部位には、

身体の前側を支える筋膜のつながりがあります。


無理に押したり伸ばしたりする必要はありません。

撫でる、軽く圧をかけて擦るといった

穏やかなテクニックで十分緩んできます。

筋膜はちゃんと意識的に触れると、やさしい刺激にも反応してくれます。

なかなか変わらない時は「ずらす」「つまむ」のテクニックを織り交ぜます。

特に、「ハリを感じる部分」や「少し痛みがある場所」から触れていくと、

知らず知らずに溜めていた緊張やがんばりが、

ふっとゆるんでいくことがあります。

ただここで、少し注意も必要です。

お腹の内側がガチガチに硬いままで、

太ももの外側だけを強く伸ばしてしまったら、どうなるでしょうか?

たとえば、ブヨブヨの服を着ているけど中身はガチガチ。

そんなアンバランスな状態のまま外側だけをゆるめてしまうと、

今までなんとか保っていた身体全体のバランスが、

逆に崩れてしまうこともあるのです。

とくに、

・ひどい腰痛がある方

・かなりの反り腰傾向がある方

・ひどくはないけれど10年以上腰痛を抱えている方

こういった方には、フォームローラーなどを使った

強い刺激の筋膜リリースはおすすめしません。

膝を曲げて仰向けになる、強い前腿ストレッチも同様に

上記の場合は「今は」避けていた方が良い場合が多いです。

無理せず心地いい範囲でストレッチを感じてください。


これは、私自身がかなりひどかった腰痛を改善してきた実体験と、

整体の学びから得た見解です。

だからこそ、まずは「お腹の中」にやさしく触れ、

見守ることがとても大切です。


そこから、太ももにも意識を広げ、やわらかなつながりを感じていく。

それだけでも、身体の内側で多くの変化が生まれていきます。

そして、太ももやお腹を整えていくと次に取り組みたいのが「姿勢」です。


山のポーズ(ターダーサナ)をとるとき、プレスポイントを使って

前後・左右・上下のバランスを、丁寧に観察してみてください。

このとき、使いすぎている部分と、ほとんど使われていない部分が偏っていると、

筋肉の表面に「ハリ」や「コリ」が生まれやすくなります。


動くときも、アーサナをとるときも、「全部を程よく使う」意識がとても大切です。

どこか一部をがんばらせすぎないように、全身をまんべんなく使うことで、

姿勢そのものが穏やかに整い、深いところから安定していきます。

ほんの少し整うだけでも、骨盤まわりのハリ感がやわらぎ、

ハリやすかった「使い方の癖」が手放されていきます。

前腿が張りやすかった場合は、尾骨を下げて骨盤を立て床を押し下げるプレスを

すると、、、お尻と腿裏が働くため、

前ももに「頼り過ぎずに」立つことができるようになるため、

だんだん勝手に前腿が張りが落ち着いてくるのです。


これは肩こりや首のこわばりにもつながる話です。

腰、仙骨から姿勢が整えば、背骨のカーブが本来の位置に近づき、

首や肩にかかる負担が軽くなっていくからです。

セルフケアで「感じる力」を育て、

ヨガのアーサナで「動きの癖」を整えていく。

その両方が、自分のからだとの関係性をやさしく変えていきます。

癖は、気づいた瞬間から、少しずつ手放していけます。

がんばっていた自分に寄り添うように、

やさしく静かな観察で、

自分のバランスを取り戻していきましょう。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。