<グリクシャアーサナ(木のポーズ)の内観>
グリクシャアーサナ(木のポーズ)は、
大地との結びつきを強め、自己の中心を感じるポーズです。
一本の木のように、根を深くのばし、幹をしっかりと立て、枝葉を広げる。
この姿勢は、単なるバランス強化のポーズではなく、心の平穏と安心感を育む機会を与えてくれます。
しかし、ただの片足立ちではありません。
「うまく立てない」「ある日は容易に、別の日は難しい」「風が吹くとゆらぐ」——
そうした体験の中に、私たちのからだの使い方や心の状態が映し出されています。
その日の自分の状態を、評価するのではなく、ただ観る。
それこそが、クリパルヨガにおいてこのポーズの「深み」へと入る第一歩です。
「正しく立つ」ことよりも、木を思い描くように立つ。
「木のようにからだを扱う」ことを意識すると、より豊かな体験が生まれます。
根のように足を地にしっかりと根付かせる。
(P:尾骨を下げ骨盤立てる・足裏押し下げる)
幹のように、尾骨から頭頂までエネルギーを通して伸びる。
(P:顎を引いて頭頂上に)
枝葉のように、腕を上げ広げて自由に開く。
(P:軽く肩を引き下げ・胸の上部を少し引き上げる)
このとき、足裏全体を地面に埋め込むのではなく、
「プレスポイント」を意識することが大切です。
(P:プレスポイントの動きを記載しています)
足裏を大地へ押しながら、地面からのサポートを感じ、
尾骨から頭頂へのエネルギーの流れ、上下のつながりを感じてみましょう。
無理に静止するのではなく、穏やかな動きを許すことで、からだと心が自然に調和していきます。
木は大地にも、上にも伸びていく——
それを「プレスポイント」を使ってバランスよく感じてみてください。
『片足になっていても、山のポーズと同じだ。』
そんな感覚でグリクシャアーサナ(木のポーズ)に向き合うこともおすすめです。
いつも内腿に足裏をつけた形でグリクシャアーサナをいつも実践していたら、
たまに今日のクラスのように足先を床につけて(または脚を低い位置において)
「木」の力強さ、自分の内側にある軸やエネルギーを感じる日を
意図的に作ってみる事、おすすめです。その違いをぜひ楽しんでみてください。
・ ・ ・
グリクシャアーサナでは、ぐらつくことも、ぶれることも悪いことではありません。
むしろ、それが「今の自分」を映し出してくれる大切なサイン。
「ぐらつくのは悪いことじゃない」
「ここにいる自分を受け入れよう」
「深い根に安心してもいい」
そうした心の声に耳を傾けながら立って受け入れてみると、
「木」という存在を通して、自分自身の根を感じ、心を基盤に戻す時間になるでしょう。
準備ができたら、自然に次の動きが生まれる。
力みすぎず、完璧を求めず、ただそのプロセスを味わう。
その先には、とどまることもあれば、エッジに向かうタイミングで
ポーズを深めていくかもしれません。
それは「今」は分かりません。その時の体験ですから。
あなたの中に、深い根と大きな太陽に向かって伸びる力が存在しています。
いま、その自然な力を思い出して感じてみてください。
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。