<クリパルヨガのアーサナアプローチ – カポタアーサナ>

<クリパルヨガのアーサナアプローチ – カポタアーサナ>

カポタアーサナ(鳩のポーズ)は、心を開き、

内側から湧き上がるエネルギーを感じるアーサナ。

胸を広げることで、自然と呼吸が深まり、

心の奥にしまい込んでいた感情やエネルギーの流れがやさしく解放されていきます。

けれど、それは「もっと開かなければ」「より深めなければ」と自分を追い込むものではなく、

あくまでも“今の自分にとってちょうどいい場所”を見つけるプロセスです。

●エッジの探求とプラーナの流れ

クリパルヨガでは、アーサナを通して自分の「エッジ(境界)」を探求します。

エッジに近づくと、からだの奥で小さな変化が生まれ、

そこにプラーナ(生命エネルギー)が流れ始めます。

しかし、それを押し広げようとすると、流れは滞り、呼吸が浅くなることも。

カポタアーサナでは、胸が開くにつれて、肺や横隔膜が広がり、

心臓のあたりがふわっと温かくなる感覚が生まれるかもしれません。

それが心地よい拡がりなのか、それともどこかに緊張や抵抗を感じるのか。

どんな感覚があっても、そのまま観察してみる。

呼吸がスムーズに流れるところで、心地よく留まる。

それが、このアーサナのクリパルヨガにおける本質的なプラクティスです。

●プロップスがつくる、安定の中の自由

ブロックやボルスターなどのプロップスを使うことで、

カポタアーサナの中に安定をもたらし、余計な力みを手放しやすくなります。


例えば、前脚のももの下にブランケットやブロックを入れると、

骨盤の傾きが整い、腰への負担が減り、背骨が自然と伸びやすくなります。

手をブロックに添えたりすることで、肩や首の緊張を和らげながら、

無理なく胸を開くこともできます。

こうしたサポートを活用することで、アーサナは単なる「形」ではなく、

より深い自己探求の場となります。

自分の心と体がゆるみ、呼吸が自然と広がる空間をつくることで、

プラーナの流れも穏やかに、けれど確かに巡りはじめます。

●内観することで、開かれるもの

カポタアーサナは、ただ胸を開くだけでなく、

心の奥にそっと光を当てるアーサナ。

深く呼吸しながら、「今、私はどう感じている?」と静かに自分に問いかける。

そのとき、ただ開放感だけでなく、何か抑えていた感情やエネルギーが

ふっと湧き上がることがあるかもしれません。

でも、それを変えようとしなくていい。ただ見守る。
ただ感じる。


そのやさしい観察こそが、自己探求の入り口です。

アーサナは、形をつくるものではなく、自分自身と出会うためのもの。
どこまで深く入れるかではなく、今の自分にどれだけ寄り添えるか。
その視点を大切にしながら、カポタアーサナを味わってみてください。


今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。