<『クリパルヨガの視点でただ座る』>

<『クリパルヨガの視点でただ座る』>

クリパルヨガの哲学は、

「あるがままの自分を受け入れること」に根ざしています。

このエッセンスを活かしたシンプルな瞑想が、『ただ座る』という行為。

特別なポーズや道具がなくても、心とからだを整える深い時間を味わうことができます。

今回は、クリパルヨガの視点から『ただ座る』瞑想の大事なポイントを何点かに分けて書いてみます。

1. ただ座るとは「努力を手放すこと」

『ただ座る』とは、「何かを達成しよう」とする意識を手放すことです。

呼吸をコントロールしようとしない、思考を止めようとしない。

ただ「今、この瞬間」にある体と心を静かに観察することが目的です。

クリパルヨガでは、努力を手放すことで内なる智慧に触れると言われます。

肩の力を抜き、「こうあるべき」という考えから自由になる時間を作りましょう。

簡単な方法は「ぼーっと」すること。

「きょとん」とするもおすすめです。

苦手な方はここに書くワークをおすすめします。

  1. 両手の人差し指だけ出して顔の前に左右揃えておいて下さい。
  2. ゆっくりとその2本の指を左右に離して、横に動かしていきます。
  3. ぎりぎり、自分の視界に入っている、そこに指があることがわかる位置で動きを止めます。
  4. そのまま顔や目の向きは真っ正面のまま左右の指も見えている状態で、
    ゆっくりただ呼吸をします。

上の方法でワークをしてみると、「ぼーっと」した状態が作りやすいです。

ちょっと「コントロールしようとしない」「今日はなんだか手放す感覚が難しく感じる」

そんな時はこのワークをやってみて下さい。

また、一緒にしましょう!

瞑想しよう、集中しよう、、、

「〇〇しよう」からちょっと離れてみることおすすめします。

2. 快適な姿勢を整える

ただ座るとき、無理に背筋を伸ばしたり、緊張した姿勢を取る必要はありません。

自分に合った姿勢を探してみてください

  • 椅子に座る場合:足裏を床につけ、膝が90度に曲がるように調整します。
  • 床に座る場合:お尻の下にクッションやブロックを使い、
    腰が楽に伸びる姿勢をサポートします。
  • 椅子の背もたれや、壁を使うことも有効です。
    腰ができるだけに楽に伸びるようにします。

「快適さ」と「安定感」が同時に感じられるポジションが見つかったら、

静かにその姿勢で留まりましょう。

3. 呼吸を「感じる」

呼吸は、瞑想中の大切なガイドです。
ただし、クリパルヨガの瞑想では、呼吸を意図的に変える必要はありません。
自然なリズムの呼吸を感じてみましょう。

  • 息が鼻から出入りする感覚
  • 胸やお腹が微かに動く感覚
  • 呼吸の温かさや質感

どんな呼吸なのか「ただ感じる」ことで、

からだと心が自然とリラックスしていくのを体験できます。

4. 思考や感情を「迎え入れる」

瞑想中に思考が浮かんできたり、感情が湧き上がったりすることは、よくあることです。

それに抵抗せず、「あーこれが今の自分なんだな」と気づき、ただ見守ります。

クリパルヨガの教えでは、こうした瞬間こそが自己受容の練習になります。

「この感情はダメ」と評価するのではなく、

「ただそこにあるもの」として受け入れることを意識してみましょう。

マインドフルに、「ただあー今そうなんだな」その瞬間を受け取ります。

5. 終わりの時間を大切にする

瞑想を終えるとき、すぐに終えず、立ち上がらずに、

目を閉じたまま今の感覚を味わってみて下さい。からだがどう感じているのか、

心の状態にどんな変化があるのかを優しく見守ります。

いつもヨガの時間にしている「センタリング瞑想」です。

目を閉じて今の呼吸や座っている状態を見守る、それだけです。

この「振り返りの時間」が、瞑想の余韻を深め、

日常に心の静けさを持ち帰る鍵となります。

・    ・    ・

『ただ座る』というシンプルな行為は、

忙しい日常の中で私たちが「自分自身に還る」ための時間を与えてくれます。

クリパルヨガの「観る」「自己観察」するというエッセンスを取り入れることで、

何も無理をせず、ただ「今ここ」にいることの心地よさを実感しやすくなり、

瞑想も身近なものになっていくはずです。

まずは5分から始めてみませんか?

今日のクラスでは7分座っていました。

最後の方の時間、ふっと沸き起こった私の感覚はもっと「座っていたい」でした。

何かしら感情が起きても良いのです。

書くときと同じ、ただ出てきたものを優しく「そうなんだね」と見守ってみて下さい。

「ただ座る」だけで、きっと新しい発見があるはずです。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。