<肩こりのPIRテクニック 感じるという方法>

肩こりのトリガーポイントヨガセラピーで、
昔から大切にしている方法があります。


ひとつは、私自身が長く続けている「脇下肩甲骨ほぐし」。
肩甲骨の奥にやさしく触れて、腕と肩のつながりを思い出していくセルフケアです。
そして、もうひとつ。
腕のラインに捻りの刺激を加えながら行うPIRテクニックです。


腕の筋膜の捻りを入れてから、肩と手で押し合うポジションをつくり、
呼吸が止まらない程度に、数秒だけ静かに押し合う。
そのあと、離れる。


ただ伸ばすのではありません。
ただ強く使うのでもありません。
使っているし、伸びも起きている、
全体的な軽い収縮と解放を重ねて、からだに別の選択肢を渡していきます。

PIRの本質は、力の強さではありません。神経系への穏やかな再教育です。
筋は、神経の指令で働きます。
肩こりの多くは、弱いから起きるというより、
同じ出力パターンを続けてきた結果、緊張が固定化している状態です。

軽い等尺性の収縮を入れると、筋紡錘やゴルジ腱器官といった受容器が刺激されます。
そこで「いったん使って、離れる」を挟むことで、
過剰な緊張の信号が静まり、出力が変わっていきます。
強い刺激よりも、穏やかな入力。

PIRは、からだを押し広げる技術ではなく、
神経の出力を整える技術です。

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このPIRワークをすると、
腕や肩まわりにじわじわとしただるさが出ることがあります。
熱を帯びたり、重さを感じたり。
ここで頑張りすぎないことが大切です。
だるさは、もう十分という合図。
強めなくても、からだは受け取っています。

そして、ここからが「感じる」という時間です。
皮膚は、単なる外側の膜ではありません。
発生学的には神経系と同じ”外胚葉”から生まれています。
皮膚で受け取る感覚は、そのまま神経へ届きます。
だからこそ、離れたあとの感覚を受け取ることが、
PIRの仕上げになります。


変化を探しにいかず、ただ、起きていることを受け取る。
その受容が、からだが本来のゆるみを思い出す時間になります。
そして、仕上げに行う筋膜ヨガも、同じ考え方の上にあります。
動きは小さくていい。力も弱くていい。
押して、ゆるめる。
緊張と緩みの出力を整えていきます。
そのうえで流れるように動くと、からだは自然に広がっていきます。
筋膜・筋肉を使って伸ばしていると同時に、
実際には神経の出力が変わっている。
だから、強くなくても深いのです。

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肩こりは、からだが怠けているのではなく、働きすぎている状態です。
だからこそ必要なのは、強さではなく、感じるということ。
軽く使い、呼吸して、離れる。
変化を受け取る。

どうぞやさしく、からだのつながりも使いながら、
感じ続けてみてくださいね。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。