<”全体で使う”という感覚 – お尻を使う前に整えたいこと>

お尻や腿裏が弱い。
背面を使うのが苦手で、後屈もあまり好きではない。
これが、4〜5年前の私のからだの感覚でした。

とくに「お尻の筋肉がつかない体質なんだ」と、
いつの間にか思い込んでいたことを、今でもよく覚えています。

けれど実際には、
お尻が使えなかったのではなく、
使い方を知らなかっただけでした。


使い方が変わると、からだの反応も変わります。
お尻トレーニングをがんばった、
というよりも全く筋トレはしていないので、
ヨガのアーサナにおいての
”からだ全体の扱い方を見直していったという感覚です。

歩く時、階段を登る時も今日のからだの使い方を意識し続けていました。
筋肉量は確実に数字としても増えて、
お尻には自然と厚みが感じられるようになり、
立っているときの安定感も、以前とは明らかに違います。


「お尻が鍛えられない」には、理由があります。
多くの場合、それは筋力不足というより、一部だけを使おうとして、
全体の準備が整っていない状態のまま動いていること。
これはバランスポーズにも同じことが言えると思っています。

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お尻を効率よく使うためのポイントは、
いつもの「山のポーズ」にあります。

骨盤が前に傾きすぎても、後ろに引きすぎてもいない。
前でも後ろでもなく、上下も偏らない。
そんなニュートラルな状態が、土台になります。
それは、あぐらで座っているときの感覚とも同じです。

前側だけ、後ろ側だけを使うのではなく、
上下、前後、全体がバランスよく働いていること。
その状態があってはじめて、
お尻は無理なく、効率よく使われていきます。

すでにある程度お尻 ”も” 使っているところ、
安定した場所から更に扱っていく。

ただそれだけです。
「形」は似ているのだけど、

内側で起きていること、その体験は全く異なってきます。


ここで大切なのは、
「がんばって締める」ことではありません。
筋トレのように酷使したりパワーでやり切ることとも少し違います。
いかにお尻を“全体でサポートするか”なのです。

骨格の位置。
筋膜のつながり。
筋肉の方向性。
それらがそろったとき、
お尻のはたらきは自然に引き出されていきます。

今日はお尻にフォーカスを向けていたのでここで少し補足を。
今回の使い方でお尻を使うことを続けていくと、
前ももが張りやすい方であれば、
その緊張が少しずつ落ち着いてきます。
腿裏も、お尻と同時に使えるようになってくると、
足元で床を押したときに、
太ももの楕円の形が後ろ側にも自然と厚みを持つようになります。
前側だけで支えていた力が後ろ側にも分散されていくことで、
全体のバランスが整っていく。

その結果、前から見たときの脚が、
すっと細く見えるように感じられることもあります。

骨盤や尾骨の動きが変わると、
お尻や腿裏といった、
ふだんは意識にのぼりにくい背面にも変化があらわれます。


見えていない場所ほど、
実は動きの要になっていることも少なくありません。
ぜひ繰り返し、観察してみてください。


今、骨盤はどんな位置にあるか。
尾骨はどう動いているか。
そのとき、お尻や腿裏はどう働いているか。
全身を使って動いているか。
どこか一部分だけに頼っていないかーー

お尻をしっかり使う、
ということは”全身をバランスよく扱う”こと。
からだ全体で支え合う感覚を、
少しずつ思い出していくことなのだと思います。

今日も最後までありがとうございます。