<カポタ・ムドラと心包の空間>

<カポタ・ムドラと心包の空間>

今日のクラスでは、アンジャリ・ムドラからカポタ・ムドラへ。

手のひらを合わせ、そっと空間をつくる——

その小さな動きの中で、胸の奥がふっとひらくような感覚や暖かさ・・・

何か受け取った方もいると思います。

掌を合わせて、少し離す。

そのわずかな“間”に、呼吸の音や感覚が変わるのを聴いた人もいたかもしれません。

ムドラって、本当におもしろい。

形の奥に、何かが確かに流れているのです。

今日はここでは経絡から”カポタ・ムドラ”をみてみます。

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心包経と労宮のはたらき

カポタ・ムドラで経絡で読み解くと自然に開かれるのが、

胸の中心(壇中)から中指へ流れる心包経(しんぽうけい)だと感じます。


東洋医学では「心を包み守る膜」とされ、

感情や呼吸、血流のバランスを整えながら、

内と外の世界をつなぐように働いています。

掌の中央にはツボ労宮(ろうきゅう)があります。

「労」は疲れを癒やし、「宮」は安らぎの場所。


ここがふっと温まるとき、胸の奥にも呼応するように

やわらかな温度が生まれます。

ストレスや自律神経の乱れの調整におすすめなツボとされています。

カポタ・ムドラで掌の間に空間をつくることは、

この労宮をふわっと開き、心包経の流れを通すようなこと。

胸と手のひらがひとつの呼吸でつながると、

身体の内側に静かな循環が戻ってきます。

私自身もこのムドラを続けていて、手を合わせているだけで、

からだの内側に“潤い”のような温かさや安心を感じるようになりました。

忙しい日でも、手を合わせるひとときが

心を整えてくれる——そんな小さな時間です。

続けていると、その感覚は少しずつ早く訪れるようになりました。

(初めは3分がおすすめです、、、今は4−5呼吸で受け取る時もあります。)


集中が深まるからか、からだがその静けさを覚えているからか。

手のひらを合わせるだけで、呼吸が自然と落ち着いていく。

そんな穏やかな変化が、日々の中に息づいています。

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手のひらにひらく“空(くう)”

空(くう)は「何もない」ではなく、「すべてが在る」ということ。

手のひらの間にある小さな空間には、

目には見えないけれど、確かなぬくもりのようなものが息づいていると思います。

それは、人と人のあいだの空気のようでもあり、

心の静けさそのもののようでもあります。

掌を合わせ、そっと離す——

その間に、外の世界と内なる世界が

やわらかく溶け合っていくように思うのです。

ムドラは形をまねることではなく、

その形を通して、自分の内側に流れる声を聴くこと。

あぁ、そうか——アーサナのあり方と同じなのだと、

ふと気づかされます。

手のひらの静けさに耳を澄ますと、

からだが少しやさしくなっていく気がします。

その小さな空間が、日々の呼吸を思い出す

静かなきっかけになりますように。

今日も最後までお読みくださり、ありがとうございます。