<春と夏の巡りをつなぐ、胸。>

胸の横から脇にかけて、
滞りのようなものや動かしにくさを感じる時はありますか?

肩が動かしにくい時。
呼吸が奥まで入っていかない時。
女性であれば、
生理周期の揺らぎの中で、
胸の内側に熱がこもるように感じる時。

肩や首だけではなく、
胸の横、
脇の奥、
腕の内側。

最近は特に、
そのあたりに、
ひとつの流れのようなものを感じています。

東洋医学では、
春に関わる「肝経」は、
胸の下あたりで流れを終えると言われています。
それは、春の経絡の終点というだけではなく、
十二経絡全体の流れの中でも、
ひとつの区切りのような場所。

そして、夏に関わる「心経」は、
脇から始まっていく。

そのちょうど境目のような場所に、
胸の横があります。

さらにそこを通るように、
胸の内側から、脇、腕の中央、
手のひらへと続いていく、「心包経」という流れがあります。

心包経は、“心を包む”と書くように、
胸の緊張や、内側の熱感とも関わりが深いとされる経絡です。

ちょうど、胸で抱えていたものが、
少しずつ外へ流れていくような方向です。

実際、胸の横や脇が硬くなる時、
腕まで重く感じることがあります。

逆に、心包のめぐりがほどけると、
肩だけではなく、
呼吸や胸の内側の感覚まで変わっていく。

整体の現場では、腕が上がりにくい人に対して、
肩だけではなく、肋骨や肝臓周辺の緊張をみていくことが多いです。

肝臓は横隔膜とも深くつながっていて、
呼吸や胸郭の動きとも関係しています。

春の終わり頃に胸の前側が硬くなっている時、
それは単なる「肩こり」だけではなく、
季節の移り変わりの中で、
からだが調整している途中なのかもしれません。

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今日のクラスでも、
心包経の流れに触れていきました。

胸の横から、
腕の内側へ。

そのラインを辿ったあと、
呼吸や胸の感覚に、
少し変化が生まれていたように感じます。

無理にほぐすというよりも、
どこか滞っていたものが、
内側から巡り始めるような感覚。

手まで、その感覚は届いたかもしれません。

心包経は、手のひらの中央にある「労宮」を通って、
中指の先へと流れていきます。
胸の緊張がほどけると、
手(指先)の感覚まで変わる。

そんな体験は、
解剖学だけでも、経絡だけでも、
説明しきれないものがあるように感じます。

けれど、
実際のからだの中では、
それらは別々ではなく、
同じ感覚を、
違う方向から見ているだけなのかもしれません。

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春の終わり。

胸の奥で抱えていたものが、
脇を通り、
腕を通り、
少しずつ、外へ流れていく。

そんなふうに、
からだの中でも、
静かに季節が移り始めているのを感じています。