<動きの中でめぐる 秋土用と陰陽のリズム>
今朝は動きの中で“陰陽のめぐり”を感じる時間を過ごしました。
静から動へ、内から外へ。 上と下、
全面と背面……感じることからはじまる時間。
今は、秋から冬へと移り変わる“秋土用”の時期です。
五行で「土」にあたるこの時期は、陰と陽がゆるやかに入れ替わるとき。
五行論の「土」のエネルギーは、“どちらも”のゆらぎのエネルギー。
外へ向かっていたエネルギーが、少しずつ内へと戻っていくタイミングです。
だからこそ、動く中でも「静けさ」を感じること、
止まらずに流れ続けることが大切になります。
前へ折りたたむような前屈では、背面――陰の世界に触れていきます。
朝のクラスの「バタフライ」では、臀部や腰の伸び、背面の感覚、
そしてこれからやってくる冬の代表である「膀胱経」の流れを促しました。
背中から脚の裏まで、身体の後ろ側は私たちの内省や休息をあらわす場所。
背面がやわらぐと、思考のスピードがゆるみ、呼吸が背中側にも広がっていきます。
そこに生まれる静けさは、まるで朝の空気に溶けていくような、
ほっとする温かさを残してくれます。
一方で、前ももの伸びを感じる半サドルのポーズでは、
前面の世界がひらいていきます。
前面がひらくとき、からだの内側にも明るい方向性が戻ってくる。
そのひらきが、外の世界へと自然に広がっていくように感じます。
ただし、前ももの伸びはクラス内でお伝えしたように、
頑張りすぎに気をつけてください。
痛くない範囲で、少しまだ伸びる余白があるくらいの中でとどまりながら、
“エッジの探究”をしてみましょう。
力を抜きすぎず、かといって無理をせず、呼吸の通り道を感じる。
その繊細な見極めこそが、
クリパルヨガでいう「今の自分を観る力」につながっていきます。
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「前と後ろ」「陰と陽」のバランスの中で、
わたしたちのからだは自然のリズムと同じように整っていきます。
土用はまさに、そんな“どちらにも傾かない中庸の季節”。
動きながら、その中心に立つ練習をしているようにも感じます。
“どちらも”大切に過ごしたいですね。
秋土用は、“どちらにも偏らない”ことを思い出させてくれる季節です。
動きながらも静けさを感じ、ひらきながらも内へと戻る。
その往復の中で、からだの奥にやさしい軸が育っていきます。
季節のうつろいをからだで受けとるひととき。
目の前の小さな呼吸や感覚、そして静けさに気づくたび、
自然と自分の中心へと帰っていく感覚があります。
そんなめぐりの中で、 それぞれの場所から静かなバランスを感じてみてください。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
