二十四節気(にじゅうしせっき)/芒種(ぼうしゅ)
6月5日頃〜6月20日頃までの時期
田んぼに苗を植える、
そんな季節の営みが名前の由来にもなっている「芒種(ぼうしゅ)」。
芒(のぎ)とは、稲や麦などイネ科植物の
穂先にある“とげ”のような部分のことを指します。
種を蒔き、いのちがぐんぐんと育ち始める季節。
自然界では、初夏の陽ざしのもとで草木が勢いを増し、
田畑には活気が満ちてきます。
雨も少しずつ増えてくる頃。
“梅雨入り”の知らせもそろそろ届き始め、
湿気とともに空気の重たさやだるさを感じることがあるかもしれません。
からだの内側にも、湿や熱がこもりやすい時期。
気がつけば「なんとなく疲れやすい」「呼吸が浅くなる」
そんな感覚も芽生えてくるかもしれません。
この時期のキーワードは「湿をためこまないこと」。
ゆるやかに動いて、呼吸を通して、
からだの内にこもった熱や湿を“外へと巡らせていく”ことが、
季節と心地よく調和していくための大切な養生になります。
また、消化や吸収の働きを助ける「脾」を意識したい時です。
湿に弱く、心身の“重だるさ”と関係しています。
脾の調子が整っていると、食事もエネルギーも、心の状態も自然と巡っていきます。
少しずつ、夏の入り口へ。
自然のうつろいをやさしく受けとめながら、
今の自分にとって「ちょうどよい巡り」を見つけていきましょう。
●この時期におすすめのヨガの動き!
背骨を波のように動かして、 CAT&COW 🐈
めぐりをつくる「猫と牛のポーズ(マルジャリ・アーサナ)」です。
梅雨のじめっとした空気のなか、背中まわりが縮こまりやすい時期でもあります。
そんな時は、背骨にやさしい動きをとおして、呼吸と気の流れを整えていきましょう。
四つ這いになり、
吐く息で背中を丸めておへそを覗き込むように、
吸う息で背中を軽く反らせて胸をひらく。
無理に大きく動かすのではなく、
背骨の中を風が通り抜けていくような感覚で。
ゆったりとした動きに呼吸を合わせながら、数回繰り返します。
終わったあと、背中にふわっと空間ができたような、
呼吸が入りやすくなる感覚を味わってみてください。
●芒種の養生ポイント
・“冷えと湿”から足元を守る
湿気の多い時期は、足元からの冷えに要注意。
気温も上がってきて足首を出したくなりますが、優しく包んで温めて。
足湯やレッグウォーマーで足首まわりを温めて、気の巡りをサポートしてあげましょう。
・胃腸にやさしい食材を選ぶ
とうもろこし、じゃがいも、大葉、香味野菜など、消化を助けるものを。
梅干しやシソなどの酸味も、余分な湿をさばくのに役立ちます。
・背骨をゆるめて、呼吸を深める
雨の日こそ、背中をほぐすケアを。
朝のストレッチや夜のお風呂あがりに、背骨をやさしく動かしてみましょう。
夜間頻尿に悩んでいたら「背中を床にすりすり」魚が泳ぐように動いて
背骨も背中もをゆるめてください。おすすめですよ。
・ ・ ・
暦のうえでは「春=肝」、
そして「夏=火」の季節ですが、湿気の多い日本の6月は、
それだけではなく「水(腎)」と「土(脾)」のバランスがカギになってきます。
YOGATOの無料メールマガジンでは次回このバランスについて、
『湿り気の季節に、からだの声を聴く』
「水(腎)」と「土(脾)」のバランスについてのコラムをお届けします。
(この内容は梅雨入り後にHPのBlogに投稿いたします!)
ご興味があればぜひ、メールマガジンもご登録ください!
自然界のいのちは、少しずつ次の季節へと進んでいます。
わたしたち自身もまた、季節のめぐりとともにある存在。
焦らず、ゆるやかに。
深い呼吸と、やわらかな背中をとおして、
この時期の“ちょうどよいめぐり”を見つけていきましょう。
やさしく、たしかに。
季節とともに育む、ヨガと養生を。
YOGATO うおざきよしこ