ヨガと暦と。[立秋]
二十四節気/立秋(りっしゅう)
8月7日頃 〜 8月22日頃
まだまだ暑さが続く毎日ですが、
暦のうえでは、季節はすでに「秋」へと一歩を踏み出しています。
[立秋]の投稿が遅れていましたが、皆さんは
秋の気配にはもう触れられましたか?
立秋とは、夏の終わりと、秋の始まりの節目。
日差しは強くても、空の高さや、風のやわらかさ。
そして夕方の空の色が、どこか静けさを帯びてくるこの頃。
ふとした瞬間に、「あ、季節が移ろっている」と感じることがあるかもしれません。
私たちのからだも、こころも、まだ夏のリズムの中にあるけれど、
その奥では、すこしずつ“秋への準備”が始まっているのです。
●立秋におすすめのヨガ
英雄のポーズ(ヴィラ ヴァトラ アーサナ)
季節のエネルギーが「陽」から「陰」へと静かに移っていくとき、
自分の足でしっかりと立ち、中心軸を感じることが大切になります。
英雄のポーズは、両足で大地を踏みしめ、
骨盤から胸、頭頂へと一本の軸を通すように立つポーズ。
ポーズそのものに、戦うような力強さはなくても、
“わたし”という存在を支える内側の安定感を育ててくれます。
外に向かっていた意識を、すこし内側へ。
この季節にぴったりの、“静かな力”を思い出させてくれるアーサナです。
●立秋の養生ポイント
・朝晩の変化に気づく
→ 暑さの中にも、ふとした涼しさが混じりはじめる時期。
早朝や夕方の風、空の色に、季節の移ろいを見つけてみましょう。
・湿気と熱をやさしく抜く食事
→ 夏の疲れをそのままにしていると、秋に体調を崩しやすくなります。
きゅうり、とうがん、なすなどの“清熱”野菜に、
しそ、みょうがなど香味を添えて、巡りと消化を助ける食卓を。
・疲れを“前倒し”で整える
→ 眠りの質や消化力が落ちている方は、今のうちから調整を。
夜はぬるめのお風呂に浸かり、
スマホや照明の刺激から少し離れる時間をとってみてください。
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秋の経絡について、
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立秋は、ただの“日付”ではなく、
季節とからだがそっとすれ違うような、とても繊細なタイミングです。
だからこそ、
「何かをがんばる」のではなく、
「ただ、立ってみる」「呼吸を感じてみる」
その小さなことが、次の季節の自分をつくってくれるのかもしれません。
夕方の空を、ふと見上げてみてください。
ひんやりとした風、少し高くなった空、やわらかく差し込む光。
きっと、秋の気配を感じられるはずです。
暦が少しずつ動いていくように、
わたしたちのからだも、こころも、静かに変化しています。
その移ろいを、
「ああ、人間だなぁ」「自然の中の”わたし”だなぁ」と
味わいながら、すこしずつ整えていきましょう。
YOGATO うおざきよしこ