
(出典:Thomas W. Myers, Anatomy Trains)
キーワード:
連動・対角・推進力・全体調和
機能線は、身体を対角線上に結び、右の肩から左の股関節、
左の肩から右の股関節へと大きな「X」を描くラインです。
深前線が、からだの深層で中心を支える
“内なる支柱”のような存在だとしたら、
機能線は、
歩く、走る、押す、引く、回すといった動きの中で、
力を対角へと伝えていく“連動のライン”として捉えられます。
主な構成:
前面
大胸筋下部線維 → 腹直筋鞘外縁
→ 反対側の恥骨結合周辺 → 長内転筋
背面
広背筋 → 胸腰筋膜→ 反対側の仙骨周辺 → 大殿筋
→ 大腿外側部 → 膝周辺
このラインは、対角の手足をつなぎながら、
動きの中で全身の協調や推進力を支えています。
胸のひらきと反対側の脚の安定。
脇の下から反対側のお尻へのつながり。
そうした一見離れて見える部分どうしを、
ひとつの流れの中で結んでいるのが機能線の特徴です。
YOGATOの視点では、
パリガ・アーサナ(門)のバリエーションや
アルダ・マンダラ・アーサナ(半円)のような動きの中で、
胸から反対側の脚へとつながる感覚や、対角の連動が見えやすくなります。
また、床をプレスしながら腕を動かす中で、
脇の下から背中、反対側のお尻へと
連動が通る感覚にも深く関わっています。
こうした対角のラインが心地よく働くためには、
ただ大きく動くことよりも、
骨盤まわりや下腹部が静かに整っていることが大切です。
クラスでこれらアーサナを取る際の「恥骨を前に押し出す」という動きの
プレスポイントも、単に形を整えるためだけでなく、
骨盤をひとつの“ハブ”として、
前後の機能線が通りやすい状態を支える視点のひとつです。
中心が曖昧なまま動こうとすると、
肩や腰だけが頑張りやすくなりますが、
真ん中が静かに安定していると、
床を押した力や胸のひらきが、
対角の脚まで無理なく届きやすくなります。
YOGATOの中で大切にしている
”プレスポイント”
”Whole Movement”
この中心から末端へのつながり、そして全体を扱うという感覚も、
この機能線の見方と深くつながっています。
補足:
機能線は、深前線のように静的な支えを担うラインというよりも、
深層の安定を土台にしながら、
対角への連動や躍動を生み出すラインです。
部分で頑張るのではなく、
全体の中でエネルギーが受け渡されるとき、
このラインはより自然に働きやすくなります。
動きの大きさよりも、どこからどこへ響いているか。
その流れが見えてくると、
からだは対角のつながりの中で、
よりのびやかに働きはじめます。
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からだのつながりは、
ひとつのラインだけでなく、
いくつもの関係の中で見えてきます。
他の筋膜ラインもあわせてご覧いただくと、
全体のイメージがより深まりやすくなります。
→ からだをつなぐ筋膜の地図
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最終更新:2026/3/18
