クリパルヨガの特徴②:
「ポーズの形より、内側の感覚」
ヨガのポーズを練習するとき、
「この形が正しい」「こうあるべき」と考えてしまうことはありませんか?
たとえば、ダウンドッグでは「かかとが床についたほうがいいのでは?」、
前屈では「膝を伸ばしたほうがきれいでは?」と思うことがあるかもしれません。
私たちはつい、理想の形に近づこうとしてしまいます。
クリパルヨガでは、「どんな形になっているか」よりも、
「今、この動きの中で自分の体がどう感じているか」に
意識を向けることを大切にしています。
ポーズをとると、心地よく伸びを感じることもあれば、
違和感や疲れを感じることもあります。
たとえば、前屈で「気持ちよく伸びている」と感じる日もあれば、
「今日は思ったより突っ張るな」と思う日もあるでしょう。
バランスのポーズでは、安定している日もあれば、
ぐらつく日もあります。
クリパルヨガでは、そうした感覚を「良い・悪い」と判断するのではなく、
そのまま観察することを大切にします。
片足立ちのポーズでぐらついたとき、
「今日はバランスがとりづらいな」と感じたら、
「できていない」と考えるのではなく、
「今の体の状態を知る機会」として受け取ってみる。
そうした練習を重ねることで、ヨガの時間が「ポーズを完成させること」ではなく、
「自分の状態を観察する時間」に変わっていきます。
バランスが取りづらいと感じたら、足幅を少し広げてみる。
壁に手を添えてみる。足先を軽く床につけてみる。
そんな小さな調整をしながら、「今の自分に優しく寄り添う方法」を見つけていくことが、
クリパルヨガの大切なエッセンスのひとつです。
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ヨガをしていると、つい「できる・できない」に意識が向いてしまうことがあります。
隣の人と比べてしまったり、思うように動けない自分にがっかりしたり。
私自身の経験ですが、ひどい痛みが身体にあった頃、
「なんで自分はできないんだろう」
「なんでこんなに動けない身体なんだろう」
と、自分を責めてばかりいました。
周りのヨガの仕事仲間がどんどん難しいアーサナをこなしていくのを見て、
つい比較してしまい落ち込むこともありました。
その感情は見せ合いようにしているから、心と行動はチグハグで安定しません。
そんな状態だった私はクリパルヨガの体験から、
ヨガの時間が「ポーズを完成させること」ではなく
「自分の状態を観察する時間」へと変わっていきました。
クリパルヨガでは、「どんな動きの中にも、今の自分を感じること」が大切な要素です。
「できる」「できない」ではなく、「今、何を感じているか」に意識を向けることで、
ポーズの深まり方も変わっていきます。
形が変わっても、ポーズを深められなくても、その瞬間にしか味わえない気づきがあります。
そんなふうにヨガとの向き合い方が変わっていくうちに、
「ヨガの時間は、できることを増やすためではなく、
今の自分を大切にするためにある」と気づきました。
それは、私が自分に優しくなれるようになった瞬間でもありました。
そして最終的にはある日、
「不安」や「過去の記憶」が私の心にもからだにもブロックをかけていた
ということに気づくタイミングがやってきました。
「もっとちゃんとやらなきゃ」「うまくできるようにならなきゃ」と思っていた力みが、
気づかないうちに自分自身を縛っていたのです。
ポーズの形にこだわるのではなく、
その動きの中で「自分のからだはどう感じているのか?」に意識を向けることで、
少しずつ無理なく、自分に寄り添う練習ができるようになりました。
そうして「自分とつながるための時間」を知り、
私自身も、私の周りの環境もどんどん穏やかになっていきました。
私自身、クリパルヨガに出会うまでは、その存在を知りませんでした。
たまたま関東に研修期間として滞在していた6ヶ月間。
先輩から「多分好きだと思うよ、クリパルのクラスに行ってみる?」
と誘われたことが出会いのきっかけです。
もし、あのとき誘われていなかったら……。今の在り方の自分がここにいるか、怪しいです。
「内側の感覚」を観察し、それを興味深く楽しんでいるような私はいなかもしれません。
クリパルヨガをお伝えしている未来があるなんて、8年前には思いもしません。
人生は、小さな「気づき」や「出会い」で変わっていくものですね。
ヨガの時間も、自分の内側を感じる「小さな気づき」の連続です。
その一つひとつが、自分をより深く理解し、大切にするきっかけになっていく。
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YOGATOでは「クリパルヨガ」と「セルフケア」を
バランスよく取り入れたクラスを開催しています。
●YOGATOクリパルヨガクラスの一覧
・クリパル ジェントル
・クリパル モデレート
・クリパル太陽礼拝
・クリパルヨガの基本
・きそきそよーが
ベーシックなクリパルクラスと、基本的なテクニックや練習クラスがあることで
自分のペースに合わせながら体験を繰り返し、自然に深めていくことができます。
やさしいクラスだからといって、ただリラックスするだけではなく、
「ポーズを深める」ためのアプローチも含まれているのが、
クリパルヨガの面白さのひとつだと私自身は感じています。
「もっと強く・深く」と力で押し進めるのではなく、
「今の自分がどこまで心地よく探求できるか」を大切にしながら、自分自身を観察していきます。
その鍵となるのが、「エッジの探求」です。
これは、頑張りすぎず、でも後退もしない、
自分にとってのちょうどよい境界線の中でチャレンジをすること。
この境界線は、昨日と今日、今日と明日で変わるものです。
だからこそ、ポーズの完成形にこだわるのではなく日々感じることを続けます。
その時々の自分の心とからだの状態を丁寧に観察しながら、バランスよく深めていきます。
また、ポーズの「プレスポイント」と呼ばれるクリパルヨガのテクニックを活用することで、
余計な力を入れずに安定感を高め、無理なくポーズを深めていくことができます。
「もう少しクリパルヨガを知ってみたい」と思った方には、
こちらの書籍がおすすめです。
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昨年末の時点で在庫が少なくなっていると伺いましたので、気になる方はお早めにどうぞ!
あなたのヨガの時間が、
より豊かで心地よいものになりますように。
どうぞご自愛ください。