<BRFWA – 呼吸とリラックスから始まる、クリパルヨガの内観プロセス>
クリパルヨガには「BRFWA」と呼ばれる体験の流れがあります。
(ブラフワと呼びます。)
呼吸して、リラックスし、感じて、観て、そして委ねる。
シンプルな言葉の並びですが、そこにはヨガの真髄が込められています。
私自身も、学び始めてからずっと大切にしてきた体験のあり方です。
ポーズを完成させることよりも、内側で何が起きているかを味わうこと。
それを導いてくれるのが、このBRFWAの流れなのです。
B Breath 呼吸
R Relax リラックス
F Feel 感じる
W Watch 観る
A Allow 委ねる
たった五つの言葉ですが、この順番に沿ってからだや心に関わっていくと、
ヨガの時間がただの運動ではなく、奥行きを持った体験へと変わっていきます。
まずは呼吸(Breath)。
今ここにある呼吸に気づくことから始まります。
吸う息、吐く息がどんなリズムで、どんな深さでやって来ているのかを見つめます。
そこに正しいも間違いもなく、ただ気づくことが入り口です。
そしてリラックス(Relax)。
必要以上に入っている力みをゆるめます。ヨガの時間だけではなく、
日常生活の中でも私たちは無意識にたくさんの緊張を抱えています。
肩を持ち上げていたり、眉間に皺を寄せていたり。呼吸に気づいた後で、
その力みをふっと手放すと、ようやく「今、ここ」にとどまることができます。
この二つのプロセスは、シンプルですがとても大切です。
呼吸とリラックスが揃うことで、はじめて内側の静けさに触れる準備ができるのです。
そこから、感じる(Feel)という体験が始まります。
からだの奥に広がる感覚、胸に浮かんでくる感情、考えごとや記憶の波。
どれも消そうとせず、ただ感じてみる。良し悪しを決めるのではなく、
「いま私はこんなふうに感じているんだな」と受けとめていきます。
次に観る(Watch)。
これは一歩引いた視点です。感じている自分を、
そのまま観察するもうひとりの自分がいます。
からだや心が動いているのをただ眺めているような感覚。
嵐のように思考や感情が巡っていても、
それを「観ている」意識があると、中心は静かに保たれます。
ここにひらけてくるのが、クリパルヨガの真髄とも言える「内観」の時間です。
そして最後に委ねる(Allow)。
感じて、見たままをコントロールせずに手放す。
そのままにしておく、流れに委ねる。
その瞬間、からだと心の境界がやわらぎ、
自分を自然の一部として受け入れるような広がりが訪れます。
このBRFWAの流れをたどるとき、アーサナも呼吸法も瞑想も、
すべてがひとつの体験として同時に起きていることに気づきます。
ポーズを取ることが目的ではなく、呼吸を通してリラックスし、感覚を感じ、
意識がそれを観て、やがて委ねていく。そのすべてが一つながりの体験なのです。
だからこそ、呼吸を理論的に知ることも大切だと私は思います。
例えば「横隔膜ほぐし」をすると、
吐く時に指がすっと入りやすくなるのは、
横隔膜が上に上がってスペースができるから。
吸う時に指が押し出されてくるのは、
横隔膜が下に下がり、内臓を下へ圧しているからです。
これは生理学的な事実ですが、
実際に自分のからだで「本当にそうなっている」と体験を通して理解すると、
呼吸の深まり方や安心感がまるで違ってきます。
いつもクラスの準備として行っているあの「横隔膜ほぐし」を思い出してみてください。
指を添えて吐く息と吸う息を感じる、あの小さなセルフケアです。
知識と体験を重ねることで、「ただの深前線を整えるためのお腹のほぐし」ではなく
「呼吸そのものを整える入り口」として感じるようになります。
理論と体験が両輪になると、
呼吸は安全に深まり、アーサナも瞑想も自然とつながっていくのです。
・ ・ ・
実は私は、この1年間で多くのコラムを書いたと思っていましたが、
BRFWAについてはまだ一度も書いていなかったとクラス後に気づきました。
あまりにも当たり前のようにしていたから、
言葉にする必要を感じていなかったのかもしれません。
でも改めて振り返ると、ヨガの時間でも日常生活の中でも、
どんなときも「まずは呼吸(Breath)、
そしてリラックス(Relax)」という入り口に戻ることができるのは、何より大きな支えです。
からだが緊張しているとき、不安や迷いが大きいとき、
深呼吸して肩を落とすだけで、今にとどまる道がひらけていきます。
BRFWAは特別なものではなく、
誰もが持っている自然な流れを思い出させてくれます。
だからこそ、クリパルヨガでは”呼吸法”が大事にされ、
クラスの中で毎回そのプロセスが繰り返されています。
まず呼吸(Breath)に気づくこと。
そしてリラックス(Relax)すること。
その小さな一歩が、感じる(Feel)、観る(Watch)、委ねる(Allow)という
体験につながっていきます。
ヨガをするたびに、この流れを思い出すことができると、
からだも心も少しずつ素直になり、
本来のリズムを取り戻していくのだと思います。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
