<脳と潜在意識に働きかける -それはエンパワーメント- >
セルフケアとは、単に「からだ」を整えるだけのものではありません。
本質的には「脳と潜在意識にここを調整するよ」と優しく伝え、働きかけること。
そのプロセスが、私たちの心身のバランスを深いレベルで整えていくのです。
たとえば、肩がこったときにストレッチをする。
これはとてもシンプルなセルフケアの一つですが、
ここで大切なのは「うまくストレッチできたかどうか」ではなく、
「肩に意識を向け、そこに何があるのかを観ること」です。
「上手にすること」よりも「観ること」が大切なのです。
「今、肩が緊張しているな」「このあたりが冷えているな」 そう気づくだけで、
からだはその変化を受け入れ始めます。
脳は「ここを緩めていいんだ」と認識し、自然と力が抜けていく。
これは、クリパルヨガにおける「内観」のプロセスと全く同じです。
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私たちは、日々の生活の中で「もっと頑張らなきゃ」「こうあるべき」と
無意識に自分を追い込んでしまうことがあります。
でも、本当に力を発揮するためには、その前に「今の自分を観ること」
「そのままの自分を受け入れること」が必要です。
クリパルヨガでは、自分の感覚をジャッジせずに見つめることを大切にします。
痛みや違和感を無理に変えようとせず、「今ここにある」と認める。
それは、自分自身に「あなたはそのままでいいよ」と伝えることでもあります。
実は、この「あるがままを受け入れる」という行為こそが、
私たちを本当の意味でエンパワーメントしてくれるのです。
それは同時に、
「自分自身が何よりも重要な存在で、大切なものなのだ」ということを、
自分自身に教えてあげることでもあります。
なぜ受け入れることがエンパワーメントにつながるのか。
それは、「ありのままの自分」を受け止めることで、
「変わらなければいけない」という無意識のプレッシャーから解放されるからです。
今の自分を認めることで、余計な力みが抜け、
自然と本来のエネルギーが流れ出す。
それが、私たちが持っている力を引き出し、可能性を広げてくれるのです。
※エンパワーメントの詳細解説は以前のコラムもご参照ください。
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だからこそ、セルフケアをするときに意識したいのは、
「自分に対して何を伝えているか?」という視点です。
・触れたり、ストレッチしながら「ここ、緩めていいんだよ」と伝える。
・深呼吸しながら「今、この瞬間にいていいよ」と伝える。
・疲れたと感じたら「休んでいいよ」と伝える。
こうした言葉を通して、私たちの脳と潜在意識にメッセージを送り、調整を促す。
セルフケアは、ただの身体のメンテナンスではなく、
「自分と対話し、関係を築く行為」なのです。
では、具体的にどんなことができるでしょうか。
①目を閉じて、今の自分を感じる
何も変えようとせず、「今、何を感じている?」と自分に問いかける。
②手で触れてみる
気になる場所に手を当てて、「ここを感じているよ」と伝える。
③ゆっくりとした呼吸をする
「この呼吸で、今ここにいるんだな」と意識する。
どれも簡単なことですが、これを続けていくと、
私たちの脳と潜在意識は「自分を大切にしていいんだ」と理解し始めます。
①−③はYOGATOで皆さんがいつもクラス中に行っていることです。
これこそが、「自分と対話し、関係を築く行為」の実践です。
ヨガのクラスで呼吸に意識を向けること。 ポーズの中で「今の自分」を感じること。
終わったあとに「気持ちよかったな」と自分に語りかけること。
これらすべてが、脳と潜在意識に
「私は私を大切にしているよ」と伝える時間になっています。
セルフケアの本質は、「自分に優しく伝えること」「観ること」にあります。
何かをうまくやることよりも、
「ここに意識を向けていいんだよ」「そのままで大丈夫だよ」と自分に語りかけること。
それが、脳と潜在意識に働きかけ、
私たちを本当の意味で癒し、エンパワーメントしてくれるのです。
「私は私のままでいい。」
「今の私に必要なものは、すでにここにある。」
「この瞬間の私を、そのまま受け入れてみよう。」
こんなふにずっと、自分自身に優しく語りかける時間を持てますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。