<気づいて、また戻ってくる ——集中のやさしい練習>
YOGATOでは月に一度、「書く」と「座る」の時間を設けています。
前半はノートとペンを手に、雑談を交えながら、
それぞれが描いてきた思いやテーマを振り返る時間に。
そして後半は、軽くからだをほぐしてから静かに座り、
呼吸に意識を向ける「ただ座る」時間を過ごします。
この「呼吸の観察を続ける瞑想」は、とてもシンプルな実践です。
けれど実際に行ってみると、短い時間の中でも、
ふと意識がどこかへそれてしまう瞬間に出会います。
過去のこと、今日の予定、浮かんできた感情。「あ、ちょっと眠いな」といった体感。
あるいは、ふと耳に入ってきた音が気になったり…。
気がつけば、呼吸ではない場所に意識が向いていた——そんなことも、よくあります。
でも、ここで本当に大切なのは、
「意識がそれた」ことに気づいていること。
その“気づき”こそが、集中のプロセスの一部なのです。
気づいたからこそ、私たちはまた呼吸に戻ってくることができます。
いま・ここにある感覚へ、自分の中心へ。
もし気づけなければ、意識はそのまま遠くへ流れてしまうかもしれません。
けれど気づいていれば、何度でも、やさしく戻ってこられるのです。
この「気づいて戻る」という繰り返し。
それこそが、クリパルヨガが大切にしている姿勢でもあります。
ヨガの八支則において、「ダーラナー(集中)」は、
瞑想(ディヤーナ)へ向かう一歩手前の段階。
ダーラナーとは、一つの対象に意識を向け続けようとすることです。
でも、それは「ずっと集中していなければならない」という意味ではありません。
むしろ、集中が途切れたときに「気づいて戻る」こと。
その過程そのものが、集中を育む練習なのです。
呼吸に意識を向けていて、いつのまにか思考に巻き込まれ、
そしてまた、息の感覚に戻ってくる。
このやさしい往復運動の中に、静けさや安心感が育まれていきます。
たとえば、日常にも同じようなことがあります。
「本当は取りかかりたいことがあるのに、つい他のことをやってしまう」——
そんな経験、きっと誰にでもありますよね。
私自身、まさにそうです。
集中して一気にコラムを書けばいいのに、気がつけば洗濯物をたたんでいたり、’
なぜか味噌汁の出汁を先にとろうとしていたり……
(書き進まないときの現実逃避ですね〜)。
でも、そんなときに「いま、すべきことから離れていたな」と気づけたら、
私はまた、机の前に戻ってくることができます。
離れたことで、かえって続きを書けることも多いものです。
これは瞑想にも通じることだそうです
(私はまだ経験の途中なのですが、教わったことのシェアです✨)。
たとえば、「あーもう眠い」とそのままを受け入れたとき、
ふしぎとスッと呼吸に集中できることがあるそうなんです。
瞑想を続けている方々から、よくそんなお話を聞きます。
なるほど・・・瞑想も同じなんだ、と思いました。
私はまだまだ、瞑想の経験は浅いですが、
これからも少しずつ深めていきたいと思っています。
来月8月には、クリパルジャパン主催の集中講座
『心を知る瞑想[基礎1・2]』
に参加する予定です。
▶︎ 講座詳細はこちら
私は初日以外、リアルタイムでの参加を予定しています。
ご興味のある方がいらっしゃれば、ぜひご一緒しましょう✨
ファシリテーターは、クリパルジャパンの三浦敏郎先生です。
“続けてみる”という姿勢も、ヨガと同じですね。
・ ・ ・
“戻る場所”を知っていること。
そして、そこへ戻ってこられる自分でいること。
それが、自分との関係や、自分という軸を丁寧に育てていくということなのかもしれません。
この「気づいて、戻ってくる」というプロセスは、瞑想やヨガの中だけでなく、
日々の暮らしの中にも、静かに息づいているように感じます。
大切なのは、「一度も離れないこと」ではなく、
「離れても、また戻ってこられること」。
そして、何度でもやさしく、自分の真ん中に立ち返ること。
今日も皆さんとともに、静かな時間を過ごせたことに感謝しています。
そして、最後まで読んでくださり、いつもありがとうございます。