<春のエネルギーと腰痛 ー 「木」と「金」のバランスを整える>
春は、自然の生命が芽吹き、伸びやかに広がっていく季節。
「木」のエネルギーが高まるこの時期は、
私たちのからだもまた、のびのびと動きたくなるときです。
しかし、この「木」の成長のエネルギーが過剰になると、
心身のバランスが崩れ、思わぬ不調が現れることがあります。
その代表的なものが『腰痛』です。
陰陽五行論(中医学・東洋医学)では、
「木」のエネルギーは「肝」と結びついています。
「肝」は気の流れをコントロールし、全身をスムーズに巡らせる役割を担います。
しかし、ストレスや環境の変化によって「肝」の働きが過剰になると、
気の流れが乱れ、筋肉がこわばりやすくなります。
特に、腰はからだの中心であり、多くの筋肉や経絡が交わる場所。
春の「木」のエネルギーが強すぎると、肝の影響を受けて腰の筋肉が緊張しやすくなり、
結果として腰痛を引き起こすことがあります。
腰痛持ちの方は、外腿が硬いことや、腸骨筋がガチガチなことも多いです。
外腿、腸骨筋には・・・「肝経」が通っているんです。
同時にもう一つの春の経絡、ついになっているのが「肝経」。
この流れの中で特に気にしたいのは、
股関節と恥骨の間から、肋骨までのラインです。
実は、腰痛改善のためのセルフケアに必須のポイントを通っているのです。
●五行の視点から見る「木」と「金」の関係
五行の理論では、自然界のエネルギーは
「相生(そうじょう)」と「相剋(そうこく)」という関係によって影響を与え合います。
「木」は成長・発展・のびやかさを象徴し、春のエネルギーと深く結びついています。
一方で、「金」は収縮・制御・整理する力を持ち、秋のエネルギーを司ります。
五行の相剋関係において、「金」は「木」を抑制する働きを持ちます。
これは「金剋木(きんこくもく)」と呼ばれ、金属の刃物が木を切るように、
「金」は「木」の過剰な成長を抑え、バランスを保つ役割を果たします。
「木」のエネルギーが過剰になると、気の流れが激しくなりすぎて、
イライラや焦り、不安定さが出やすくなります。
これは、肝の働きが過度に働くことで、気の巡りが滞ったり、
全身の筋肉が過緊張を起こすためです。
特に、肝は「筋(すじ)」と関連が深く、
その影響が腰の筋肉のこわばりとして現れやすいのです。
五行の「金」は「木」を抑制する働き、「金剋木(きんこくもく)」を取り入れることで、
「木」の過剰な働きを調整し、腰痛のケアにもつながります。
「金」と結びつくのは「肺」。深く呼吸をすることで、
「木」のエネルギーが暴走するのを防ぎ、緊張を和らげることができます。
また、「金」には「整える」「収める」といった性質があるため、
日常の整理整頓や環境を整えることも、からだのバランスを整えることにつながります。
自分の周りにそんな人はいませんか?
私の過去は、まさにこれです。
爆走したいワクワク大好きな「子どもな私・木」を、
「大人な私・金」が肉体や精神が壊れてしまわないように抑えてくれていた。
バランスを整えるために起きた不調だったという見方ができます。
日常にこういった考えを取り入れることで不調がなくなる。
思考、行動、食養生、、さまざまな視点からアプローチ可能です。
見えてくると面白く、試すことができるのでおすすめです。
慣れてくると、自分の世界で収まらず、
人間関係や環境でも使えるようになります。
「金」が強く出ると、正そうとするような
「真面目が強すぎてしまう性質」が強く出てくる場合もあります。
それはまた秋の時期に書きますね。
●腰痛を和らげるための具体的な簡単セルフケア
1. 深い呼吸で「金」を取り入れる
肋骨の下に手を当て、ゆっくりと深呼吸がおすすめです。
特に、息を吐くことを意識すると、
肝の緊張がゆるみ、腰回りの筋肉のこわばりが和らぎます。
2. からだを「整える」動き
朝起きた時や、長時間座ったあとに、軽くからだをねじる動きを行いましょう。
(ひざ倒し、ワニのポーズ、マツエンドラアーサナなど。)
肋骨の動きを意識しながら行うと、より効果的です。
時間があればここに腸骨筋ほぐしや、外腿を擦るなども足してみてください。
3. 「辛味」のある食材を適度に摂る
金のエネルギーを持つ食材として「大根、生姜、ねぎ」などの辛味のある食べ物があります。
これらは気の巡りを整え、腰回りのこわばりを和らげる助けになります。
・ ・ ・
春の「木」のエネルギーは、私たちに成長や前進の力を与えてくれるもの。
でも、その力が過剰になると、腰痛や緊張といった不調につながることもあります。
バランスよく「金」のエネルギーを取り入れながら、
呼吸を整え、環境を整え、食事を工夫することで、心地よい春の流れに乗っていきましょう。
だからこそ、「陰陽」どちらも大切。
動くことと、休むこと、伸びること、ゆるまること。
そのバランスを意識しながら、
「YIN YANG」のヨガの時間も楽しんでください。
新しい季節、皆さんのからだも心も健やかに伸びていくために。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。