<夏のからだに風をとおす – 暑さ対策「ウエスト・肋骨・胸」を開こう>
夏が近づくと、ふと感じる重だるさ。 気温と湿度が上がるこの季節は、
からだの中にも「熱」や「湿」がこもりやすく、
なんとなく気持ちまで停滞してしまうような感覚があります。
暑さが本格的になる前の6〜7月は、
からだの内側に“こもる力”が強まりやすい時期。
そして7〜8月、夏の陽がピークを迎える頃には、
“ひらく”エネルギーに合わせて、
自律神経も大きく揺れやすくなります。
こうした夏特有のからだの変化に対して、
整体的にも、東洋医学的にも共通して大切にされているのが、
「上半身にこもる熱を、うまく逃す」という視点です。
このとき、特にポイントになるのが、
ウエスト・肋骨・胸まわりの柔軟性。 からだの“内なる風通し”を整える、
夏ならではのセルフケアを確認してみましょう。
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●6〜7月:ウエスト・肋骨まわりをゆるめて、呼吸をとおす
雨の多い梅雨、そして本格的な夏の入り口。
湿度と暑さが重なるこの時期は、
内臓や呼吸器にも負担がかかりやすくなります。
整体の視点では、「からだのねじれ」や「硬さ」があると、
そこに熱がたまりやすくなるといわれています。
とくにウエストや肋骨まわりが固まっていると、
横隔膜の動きが制限されて呼吸が浅くなり、
血流や内臓の働きにも影響が出てしまいます。
東洋医学では、この時期は「脾(ひ)」や「胃」の働きが落ちやすく、
湿のたまりによって“だるさ”や“食欲不振”が起こりやすいとも。
(夏土用にこの辺りのセルフケアをまたやっていきます!)
ここでもやはり、
ウエストまわりのめぐりを良くすることが、
心身のバランスを整える助けになります。
ヨガのポーズであれば
・からだをねじるツイストの動き
・わき腹をゆったりと体側を伸ばす動き
・呼吸に合わせて肋骨まわりを広げる動き
そんなやさしいアプローチが、
内臓や呼吸器に“風通し”をつくってくれます。
●7〜8月:胸まわりをやわらげて、夏のエネルギーを受け取る
一年でいちばん暑くなる7〜8月。 自然界がにぎやかに広がるこの季節、
わたしたちのからだにも「外へ開く」エネルギーが満ちています。
けれども、胸や肩が固まっていたり、気持ちが内にこもっていると、
せっかくのエネルギーがからだを巡らず、
“こもった熱”として残ってしまうことも。
東洋医学では、夏は「心(しん)」の季節。
心は血流や精神活動と関わりが深く、
胸が開いていることで気持ちが明るく、前向きに整っていきます。
胸を大きく開くポーズはもちろん、
背中からそっと胸郭をひらくような動きや、
腕の動きと呼吸を連動させるやわらかなワークもおすすめです。
とくに、肩甲骨や背中の上部に意識を向けることも大切。
胸の奥にたまっていた熱や感情がすーっと流れていき、
深い呼吸とともに、
からだ全体に軽やかさが戻ってくるのを感じられるかもしれません。
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「暑さに負けないように」と、夏は
ついつい冷たいものや強い冷房に頼りがちです。
最近は首を冷やすためのアイテムや携帯扇風機も、日常の道具になりましたね。
私自身は物を増やしたくないので、
本当に暑い日は 手ぬぐいを濡らして小さな保冷剤を包むという
シンプルな方法で過ごしています。寝苦しい時もこれ。
もちろん猛暑が当たり前になった近年は、
「冷やす」ことが必要な日もあります。
ただ、毎日のセルフケアとして大切にしたいのは、
“からだの内側にスペースをつくること”
つまり“ひらく”こと。
肋骨や胸まわりがしなやかに動くことで、
熱も、湿も、感情も、詰まらずに流れていきます。
からだが軽くなると、気持ちも自然と前を向き、
「夏がもっと好きかも」と感じられる瞬間が増えていくはずです。
冷やすだけではなく、
そっと広げる。 そんなやさしいアプローチで、
今年の夏も、自分らしく、健やかに過ごせますように。
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。