「きそきそよーが」でずっと意識的にやり続けることは、
“陽のエネルギーが静かに動かしている”ことです。
この
アーサナの中にあるプラーナを巡らせていく視点で、
基礎のヨガをお伝えしています。
前屈も、開脚前屈も、スクワットも、そして後屈も。
形は違っていても、根っこにある考えは同じです。
”身体”をひとつのかたまりとして見たときに、
前後左右、上下。全方向をやさしく見ていく。
そうすると、どこか一部だけに負担が集まりにくくなり、
身体を痛めることも少なく、自分のペースで深めていくことができます。
今日の開脚前屈も、その確認の時間でした。
柔らかさや柔軟性だけを試すのではなく、
からだ全体のバランスの中で、骨盤をどう扱うか。
入り方を整えることが、前屈の質を静かに変えていきます。
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ここでは、前屈をする際の「骨盤の扱い方」を復習としてまとめます。
一般的にイメージする柔軟としての前屈を深めるため、というよりも、
腰や背中側でがんばらずに、
股関節からの動作として全身をバランスよく使うための取り扱いです。
骨盤の動きには、人それぞれ得意な方向があります。
大きく分けると、
骨盤が前に倒れやすいタイプと、後ろに倒れやすいタイプ。
どちらが良い悪いではなく、
今の自分がどちらに寄りやすいかという「特徴」を知ることが、
骨盤を整えるコントロールの近道になり、
股関節から屈曲することをサポートします。。
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●骨盤の特徴に合わせての動き
・骨盤が前に倒れやすい場合
骨盤が前に倒れやすい人は、いわゆる反り腰傾向になりやすいタイプです。
座ったときに腰が強く反り、恥骨が前に出やすい。
こういう時は、骨盤を整えようとして、さらに腰の反りを強めてしまうことがあります。
同時に胸が前に出て、肋骨が開き、鳩尾あたりで
全身のバランスを取っていることも多いかもしれません。
このタイプでのポイントは、
尾骨を下げて骨盤を動かしながら、坐骨で床を押すことです。
尾骨をそっと下へ導くと、腰椎の反りが穏やかになり、骨盤が立ちます。
その上で坐骨を床へ押す。
押すといっても力づくではなく、床に重さを預けるように。
坐骨が土台になると、背骨が長く保たれ、
前屈が腰の折れではなく、股関節の折りたたみに近づいていきます。
反り腰の特徴が強い方ほど、顎を軽く引いて、胸を少し下げることも取り入れてみてください。
背骨の形が、自然に整いやすくなります。
・骨盤が後ろに倒れやすい場合
骨盤が後ろに倒れやすい人は、腰が丸まりやすい傾向があります。
座ると坐骨が後ろへ転がり、背中が丸くなりやすい。
こういう時に骨盤を整えようとすると、胸を張って上半身だけを起こしてしまい、
骨盤は置き去りになりがちです。
同時にお腹に力が入りにくく、
腰に乗るように全身のバランスを取っていることも多いかもしれません。
このタイプのポイントは、
尾骨を後ろに押し出して骨盤を前方へ動かしながら、坐骨で床を押すことです。
尾骨を後方へやさしく送ると、骨盤が前へ転がり、股関節から倒しやすくなります。
その流れの中で坐骨を床に根づかせる。
重力に反して床を押すことを、今まで以上に丁寧にしてみると、
背中を無理に伸ばさなくても骨盤から前傾が起こりやすくなり、
お腹の力も自然に入り、腿の付け根や内ももが自然に動き出します。
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ここで、どちらのタイプであっても共通しているのは「坐骨で床を押す」ことです。
坐骨は、座位のアーサナにおける足裏のようなもの。
坐骨が床とつながるほど、脚や背骨、首までが分担して働けるようになります。
ここに尾骨の意識が入ってくると、動きがさらに繊細にコントロールできるようになってきます。
前屈に入ってからも、上に書いたポイントを思い出してみてください。
無意識になると、前屈に入ってから抜けやすくなる場所でもあります。
こうした小さな抜けが長年続くと、今は平気に感じていても、
腰や背骨の下部だけが支え役になり、微細な負担が溜まりやすくなります。
続けていくほど、その積み重ねが
「ヨガをしているのに、なぜか腰がつらい」「なぜ?」
という違和感として出てくることも多々あります。
前屈は、がんばりが出やすいポーズです。
だからこそ前屈に入ってからも、坐骨と尾骨の方向を、ときどき思い出してあげてください。
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開脚しても、基本的に起きていることは変わりません。
ただ、脚を開くことで骨盤の自由度が増え、
骨盤を立てようとするときの今のくせが出やすくなります。
反りやすい人は腰の反りで前に倒れようとしやすく、
丸まりやすい人は坐骨が後ろへ転がりやすくなる。
だからこそ開脚前屈は、柔らかさのテストではなく、
骨盤のコントロールを確認する時間にもなります。
もし腿やお尻の硬さを強く感じる場合は、思い切ってサポートを入れてください。
膝をやさしく曲げること。ブロックやタオルを膝裏に置くこと。
坐骨の下にタオルやブランケットを置いて、骨盤が起きるスペースをつくること。
そうした助けが入るだけで、腰や背骨で前に行こうとせず、
『股関節の屈曲』へとスムーズに動きやすくなります。
サポートは「弱いから使うもの」ではなく、
からだ全体をバランスよく使うための工夫です。
無理に形を深めるより、入り方を整えること。
その積み重ねが、前屈の質を静かに変えていきます。
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前屈は、からだ全体でひとつの動きをつくっていきます。
骨盤を部分ではなく全体として扱うと、
尾骨の向き、坐骨の押し方、背骨の長さ、呼吸の広がりがつながって見えてきます。
どのアーサナも「全体で一つ」ですなの。
ぜひ、開脚する場合としない場合、両方の前屈を観察してみてください。
脚の幅が変わるだけで、骨盤の使い方や坐骨の押し方、
背骨の長さの保ち方も変わってきます。
でも、ずっと意識することは何も変わらないのです。
大きく動かなくても大丈夫です。
静かに確認しながら、
今の自分のからだに合う入り方を、興味を持って探してみてくださいね。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
