<余白を残すということ – 8割でいられる力>

<余白を残すということ – 8割でいられる力>

「クリパルモデレート60」を行いました。

座位のツイスト「パリヴリッタ・パシュチモッターナ・アーサナ」を

最後の軸になるように構成し、呼吸とともに段階を丁寧に進めていきました。

このポーズに限らず、ツイストでは「段階を踏むこと」がとても大切です。

土台となる前屈の安定があってこそ、

そこから自然にねじりの余白が生まれていきます。

この“余白”こそが、クリパルヨガの大切な学びのひとつ。

わたしたちはつい、動きの「完成形」に近づこうとして、

いつの間にか8割を超えてしまうことがあります。


でも、ほんとうの深まりは、8割で止まれる勇気の中にあることも実は多いのです。

8割のところ、余白がある中にで動きを止めると、

呼吸が自然に通り、内側で“観察する余白”が生まれます。


筋肉の働きだけでなく、

どこが伸び、どこが支え、どんな感覚が動いているのか——

からだの声が静かに聴こえてくる。

みていられる、安定して内観ができているからこそ残せる余白。


それは「何もしない勇気」ではなく、

「感じながらとどまる力」です。

内側が穏やかで安定しているから、

8割で止まっても、そこに安心して“いられる”。

その安定の中でこそ、呼吸は深まり、

感覚はより繊細にひらいていきます。

ツイストのポーズでは、

力を入れすぎると、呼吸が止まり、

からだの奥にある繊細な動きが感じられなくなります。

8割でとどまるということは、

「これ以上は押し込まない」という選択の智慧でもあります。


それは自分への信頼の表れであり、

“いまの自分で大丈夫”と認める穏やかな強さです。

余白とは、何もしないことではありません。

そこには、微細な変化を観るためのスペースがあります。

呼吸とともに、筋肉や関節の内側で

“ほんの少しの動き”が起こる——

そこに意識を向けられるとき、

ポーズは静止の中で深く動いています。

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この感覚は、日常にもよく似ています。


いつも100%で頑張り続けると、

からだも心も「調整する時間」がなくなってしまう。


余白を残すというのは、

その調整と回復を自然に許すということ。

無理に進まず、いまの呼吸とともに“在る”こと。

それが、次の動きを生む土台になります。

何かチャンスがやってきた時に、

余白があるから受け取れるということもよくある話ですね。

ツイストは、内臓の働きを助け、

滞っていたエネルギーをやさしくめぐらせてくれるポーズです。

でも、その恩恵を受け取るためには、

力ではなく“気づき”や柔らかさ”が必要。


ねじりの中で呼吸を見守ると、

自然と心もほどけていくのが感じられます。

寒さが近づく季節、

無理に動かず、余白を味わうヨガの時間を。

呼吸がひらくたび、

静けさがやさしく満ちていきますように。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。