腕を回す。肩を回す。
とてもシンプルな動きに見えるかもしれません。
けれど、実際にやってみると、
肩だけで回そうとして首が詰まったり、
胸が固まったまま腕が前だけで動いていたり、
反対に肋骨が開きすぎて腰が反ったり。
小さな動きの中に、今のからだの癖がわかりやすく映ります。
だからこそ今日は、「回す」ことを目的にするのではなく、
回しながらだんだん整えていくことを大切にしました。
難しく考えなくても大丈夫です。
始める時点で骨盤を立て、全身バランスよく使うところから始める、
プレスポイントを意識しておくだけで、からだの使われ方は変わっていきます。
これがクリパルヨガの面白いところかもしれません。
最初の置き方ひとつで、体験は変わるのです。
足もとで大地を踏み、脚の安定の上に骨盤が静かに乗る。
背骨が長く伸び、肋骨の奥に呼吸のスペースが広がっていく。
その準備があると、
肩甲骨が背中をすべるように動き、腕が回りやすくなっていきます。
肩関節だけで頑張るのではなく、
肩甲骨、鎖骨、胸郭、背骨、そして足もとまで。
全体の連動として腕が動いていく感覚を、みていくのです。
春は、縮こまっていたものが少しずつほどけて、
外へ向かうエネルギーが巡り始める季節。
けれど、その変化は一気には進みません。
寒さが残る日もあり、からだの内側はまだ慎重です。
だからこそ、急に大きく開こうとするよりも、一つ一つの動きを丁寧に、
関節と呼吸の通り道を整えていくことが助けになります。
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ここで「肩から春へ」という視点を、
東洋医学視点の見立てでもう少し言葉にしてみます。
春は、肝と胆のはたらきが意識される季節とも言われます。
胆の経絡は、頭の側面から首を通り、
肩のあたりを経由して、からだの側面を下っていきます。
肩まわりが固いと、腕だけでなく、体側や胸郭の動きも小さくなりやすい。
逆に、肩甲骨が肋骨の上をすべり、
胸郭の側面が呼吸に合わせて広がり始めると、
からだの横のラインが使われやすく、開かれやすくなっていきます。
回す動きは、ただ肩を動かすのではなく、
体側の巡りを思い出す準備の動きになっていきます。
肩まわりがゆるむと、
胸の前面がひらきやすくなり、呼吸が自然に深まっていきます。
呼吸が深まると、首やあご、
こめかみの緊張にも気づきやすくなり、力を抜く選択がしやすくなる。
こうした小さな連鎖が、春のからだを迎える下地になっていきます。
そしてもちろん、肩まわりを動かしておくことは、
ウォームアップ後半に取り入れた太陽礼拝のように、
腕を大きく使う動きにも、静かに下地をつくってくれます。
動きの大きさや回数よりも、呼吸のしやすさ、
首や肩の力み具合、足もとの安定感を目印にしてみてください。
からだの中に、
春の通り道を少しずつ増やしていく時間になりますように。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
