<仙骨と蝶形骨をゆるめる、こころとからだの整え方>
仙骨は、骨盤の中央にあり、背骨の一番下で土台となる骨です。
全身を支える柱のはじまりであり、
私たちの「立つ」「歩く」「座る」という日常の動作に深く関わっています。
整体やクラニオセイクラル(頭蓋仙骨療法)の視点では、
この仙骨が硬くなっていたり、歪みがあるときには、
頭の骨である「蝶形骨(ちょうけいこつ)」にも
緊張が見られることがよくあります。
蝶形骨は、頭の中心に位置し、
目の奥あたりにある蝶のような形をした骨です。
脳の下部を支え、視神経や下垂体など、
生命活動に深く関わる大切な器官を守っています。
そして何より、この蝶形骨と仙骨は、
背骨を介して「硬膜(こうまく)」という膜でつながっているのです。
この硬膜は、脳と脊髄をやさしく包み、
脳脊髄液という大切な液体の通り道となっています。
脳脊髄液は、脳と神経系に栄養を届けたり、老廃物を流したり、
クッションのように衝撃から守ったりと、
心身の健やかさに欠かせない役割を果たしています。
けれど、日常のストレスや姿勢のくせ、過緊張などによって、
仙骨がかたく動きにくくなると、この硬膜全体が引っ張られ、
結果として蝶形骨にも緊張が伝わってしまいます。
逆もまた同じで、頭や目の疲れがたまって蝶形骨が緊張していると、
仙骨にまで影響が及ぶのです。
だからこそ、仙骨だけ、あるいは頭だけをケアするのではなく、
両方にやさしく働きかけるセルフケアが、とてもおすすめです。
目の奥やこめかみの緊張をやわらげるように、
頭に手を当てて静かに深呼吸すること。
それだけでも十分です。
力強さよりも“やさしさ”を大切に。
振動や触れていることを味わってみてください。
自分自身のリズムに耳を澄ませながら、
小さな動きの中にある深い安心を。。。
セルフケアは、ただ身体をゆるめるだけでなく、
自分自身に意識を向け、
「大丈夫だよ」と伝えるような時間でもあります。
仙骨と蝶形骨をゆるめることは、からだの軸が整い、
呼吸が深まり、頭もすっきりとして、
内側から静けさと明晰さが戻ってくるような感覚をもたらしてくれるでしょう。
日々のなかで、ふと疲れたと感じたとき。
目や頭、腰が重だるいとき。
そんなときにこそ、
ぜひ、仙骨と蝶形骨をゆるめるケアを取り入れてみてください。
わたしたちのからだは、いつもつながっています。
やさしくふれること、そしてやさしく動くことの中に、
思っている以上のちからが宿っています。
静けさの中で、自分の中心とつながる時間を。
YOGATOは、そんな時間をともに大切にしていきたいと願っています。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。