<仙骨が整うと、お尻も整う。>
仙骨のケアや背骨調整のセルフケアを続けていると、
ある日ふと気づくことがあります。
「あれ?お尻の力みが抜けている」「腰まわりがやわらかくなった」
そんな変化は、小さなようでいて、実はとても大きな整いのサインです。
仙骨は、からだのど真ん中にありながら、
どこか“奥”にある感覚がする不思議な場所。
それは文字通り、骨盤の奥で背骨を支える土台であり、
からだの背面にそっと隠れている存在でもあります。
お尻の筋肉や腰回りの張り感、骨盤の緊張は、
表面的には「座り方」や「姿勢のくせ」によって生まれるように感じられます。
けれど、より深いところでは、仙骨の状態が大きく関わっています。
仙骨が緊張して動きが小さくなっていると、
背骨全体の柔軟性が落ち、 お尻や腰にかかる負担も増えていきます。
さらに、からだの重心がぶれ、
内臓の位置や呼吸の深さにまで影響が及ぶことも。
逆に言えば、仙骨の緊張がほどけ、
自由に動けるようになると、 お尻の筋肉も自然にゆるみ、
本来の位置に戻っていきます。
そうなると、腰の力みも抜け、足どりまで軽くなるから不思議です。
仙骨から背骨をとおして、背面全体が整ってくると、
私たちは「後ろ側の自分」を思い出すようになります。
ふだん意識が向きやすいのは、顔や胸、手先や足先といった前面。
前へ、外へ、結果へ、と進もうとするのが日常の流れでもあります。
でも、背面には“静けさ”があります。
後頭部、背中、腰、仙骨、脚のうしろ・・・
ふれることで初めて「そこにあった」と気づくような、
忘れられていた感覚や、無意識の安心が、背面には宿っているのです。
ツイストのポーズをとる時にもお伝えするのですが、
背面を感じることは、潜在意識にふれることでもあります。
見えないけれど、ちゃんとそこにあるもの。
意識できないけれど、私たちを支えているもの。
そんな存在に目を向けることで、自分とのつながりが深まっていくのです。
だからこそ、仙骨を整えるセルフケアは、
単に姿勢をよくするだけのものではありません。
それは、自分の奥にある静かなスペースにふれ、
背中を預けるように安心し、
内側から力が満ちてくる感覚へと導いてくれます。
今日も静かに背骨を感じ、呼吸を背中まで届けてみましょう。
お尻の奥のほうにふんわりとぬくもりを感じたなら、
それが“整ってきた”サインかもしれません。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。