<仙骨からゆるめる、からだの波 – 背骨を伝う“振動”セルフケア>

<仙骨からゆるめる、からだの波 – 背骨を伝う“振動”セルフケア>

静かに仰向けになり、少し顎を上げて。

額の少し上、「でこめかみ」に手の手根部を添えて、斜め上にそっと引き上げる。

足を軽く組んで、トントントンとに膝下をキック。

YOGATOの仙骨・背骨セルフケアではおなじみのこの動き。

何度か繰り返すうちに、背骨をつたってやさしい揺れが生まれ、

頭の奥までふわっとほどけていくような心地よさがあります。

とてもシンプルなケアなのに、

終わったあとは、首や頭、背中がゆるんで、呼吸もしやすくなる。

このケアには、オステオパシーや

筋膜のつながりといった視点が活かされています。

ゆらぎが伝わるルートが私たちのからだにはあります

背骨の一番下、骨盤の真ん中にある「仙骨」。

そこから背骨、首、後頭部へと、キックの揺れがやさしく伝わります。

さらに、手で引き上げている「でこめかみ」の奥には、

「蝶形骨(ちょうけいこつ)」という頭の中心にある骨があり、

この骨と仙骨は、深いところでつながりあっていると言われています。

このふたつの骨をゆらすことで、

頭と背骨のあいだにある“奥の緊張”がゆるみやすくなり、

自然と、全身が整いやすい状態へと導かれていきます。

オステオパシーとは、

からだ本来の力で整っていくことを大切にする自然療法のひとつです。

骨や筋肉、内臓、神経のつながりを、

やさしい手のアプローチでゆるめていく方法です。

アメリカでは専門の医学教育を受けた

「ドクター・オブ・オステオパシー(DO)」が診療を行う医療の一分野ですが、

日本では民間療法として伝えられており、

整体・施術家による手技療法として広く学ばれています。

(頭蓋調整が有名です!)

YOGATOでは、うおざきが内蔵調整をオステオパシーを扱う先生から学んでおりまして、

特に「内臓調整と筋筋膜の繋がり」の視点をもとに、

日々の暮らしの中でも取り入れやすいセルフケアをお伝えしています。

もうひとつ、このケアを支えているのが「筋膜(ファシア)」です。

筋膜とは、筋肉や内臓、骨など全身を包んでいるうすい膜で、

感覚を伝えたり、動きをつないだりする大切な役割があります。

とくに「ゆれる・触れる・ほどける」といった動きは、

筋膜の緊張をやわらげ、からだ全体の感覚を整えてくれるのです。

このケアは、強く押したり、無理に伸ばしたりするのではなく、

からだが本来もっている「整う力」にそっと寄り添う方法です。

“感じる力”がその効果を高めてくれます。

ただ寝転んで、手を添えて、足をトントンと動かすだけ。

でもその中に、静かに整っていく力が働いています。

がんばらなくてもいい。

しっかり感じられなくてもいい。

やってみたら、なんとなく呼吸が深くなった。

少し気持ちがやわらいだ。

そんな小さな変化を、大切にしてみてください。

「何もしないようで、深くゆるむ」そんなセルフケアです。

皆さんのからだが、

本来のリズムを思い出す時間になりますように。

そしてそっと、静かな波が広がっていきますように。

※このコラムの中でもふれた「ファシア(筋膜)」については、

2025年6月28日のアーカイブコラム

『からだの深くにある「やわらかさ」 ― 

ファシアに触れるセルフケアのまなざし』

ここで、もう少しくわしくご紹介しています。

セルフケアの視点から「触れる」ことの大切さを綴っていますので、

よろしければあわせてご覧くださいね。

今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。