<三寒四温のゆらぎを、養生に。>

今日は、啓蟄を前にした三寒四温の一日でした。
あたたかい日が増えてきたと思ったら、次の日には冷えが戻る。
季節が進んでいるのに、からだの感覚はゆらぐ。
そんな「ずれ」を抱えながら過ごしている方も多いかもしれません。

この時期の養生は、「春の準備をしなきゃ」と
気持ちだけを急がせないことが、まずひとつの整えになります。
からだは、外の温度だけでなく忙しさや気圧の変化、
眠りの質、食べ方にも反応します。

だから、ゆらいで当然。
むしろ、”ゆらぎながら調整している途中”なのだと思ってみてください。

三寒四温のゆらぎは、水の冬の静けさと、木の春の芽吹きが行き交う時間。
土の安定がそれを受け止めて、
からだのリズムを少しずつ春へ慣らしてくれるように感じます。

冷えが戻る日、風が強い日、腰まわりがこわばりやすい日。
そういうときは、水の要素に戻る合図です。
腎経や膀胱経を思い出して、足元を守り、下腹のあたたかさを大切にする。
お湯や白湯を飲む。
味噌汁を一杯、ていねいに味わう。
湯船に浸かる。首や足首を冷やさない。
派手なことをしなくても、静かな支えがからだを落ち着かせてくれます。

一方で、あたたかい日が増えてくると、木の要素が気になってきます。
肝や胆の流れが動きやすくなり、気持ちも外へ向かいやすい季節。
動きたい気持ちが出てくる反面、上にのぼる感じや、
落ち着かなさを感じる方もいるかもしれません。
そんな日は、呼吸を深くしようと頑張るより、
意識的に呼吸をゆっくりにしてみる。
肩やこめかみの力をほどく。目を休める。
木の芽吹きを、やさしく通してあげるような過ごし方が助けになります。

そして最後に、この時期に忘れたくないのが、土の要素です。
胃経や脾経。食べたものを受け取り、運び、めぐらせる土台の力です。
春に向かうこの時期は、動きたい気持ちが出てきやすい反面、胃腸は繊細になりやすい。
だから、消化に優しい温かいものを中心にして、よく噛んで、食べすぎない。
甘いものや冷たい飲み物が増えていると感じたら、少しだけ戻してみる。
土用の時期だけでなく、土の要素を丁寧に扱うほど、
気持ちの安定につながっていきます。

・   ・   ・

大切なのは、どれか一つに決めないことです。


水の日があっていい。
木の日があっていい。
整う日と、まだ整いきらない日があっていい。
行ったり来たりすること自体が、季節の橋を渡っている証拠です。

もし今日、気持ちが追いつかない感じがしたり、
からだが鈍く感じたり、「あまり感じない」状態があったとしても、
それも自然な反応かもしれません。

寒暖差があると、からだは守る方へ働きます。
感覚が内側に引っ込みやすくなることもあります。
そんなときは、無理に感じようとせず、ただ触れてみる。
手を温めてお腹に当てる。
経絡の流れを、そっと撫でてみる。

自分のからだとの小さな接点が増えるほど、感覚はゆっくり戻ってきます。

・   ・   ・

啓蟄は、動き出す季節と言われます。
でも、その前には必ず、ゆらぎながら整える時間があります。
今日のゆらぎを、失敗や遅れにしないでください。
水へ戻る日も、土へ戻る日も、どちらも養生です。

この季節を、楽しみながら。
冷える日は守り、ゆるむ日はめぐらせる。
その往復を大切にしながら、春へ向かっていきましょう。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。