<リラックスがアーサナを深める — クリパルヨガにおけるリラックスの力>
アーサナ(ポーズ)を深めるために、
からだを無理に引っ張ったり、
強引にポーズをとる必要はありません。
むしろ、リラックスし、からだの自然な流れを感じることが、
そのアーサナを深めるための鍵となります。
クリパルヨガでは「リラックスして深める」というアプローチが大切され、
それはからだだけでなく、心にも深く響く考え方です。
リラックスを通して私たちは、からだを解放し、呼吸を自然に流すことができ、
その結果、アーサナが無理なく自然に深まっていきます。
今回は、そんなリラックスの力について探っていきましょう。
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「リラックス」と聞くと、
ただの脱力状態を思い浮かべる方もいるかもしれません。
たしかに、心が穏やかになり、緊張がほぐれる効果もありますが、
クリパルヨガにおけるリラックスは、
単なる「力の抜けた状態」とは異なります。
ここでのリラックスとは、からだ全体が自由に、自然に動けるスペースを作り出すこと。
この状態にあるとき、からだは無理なく、
心地よい範囲で動き、アーサナが深まります。
もし筋肉や関節に無駄な力が入っていれば、
その緊張がアーサナの流れを妨げてしまいます。
けれどもリラックスすると、筋肉は柔らかくなり、関節も動きやすくなり、
ポーズはより自由に、自然な形で深まっていくのです。
陰ヨガで大事にされる維持(ホールド)でも同じことが言えます。
アーサナにおいて、呼吸もまた重要な役割を果たします。
深く穏やかな呼吸はリラックスの状態をつくり、
そのリラックスが、アーサナを支える土台となります。
呼吸が浅くなると、からだに力が入りやすく、
ポーズは固くなります。
反対に、呼吸を深めることで、からだはゆるみ、
そのゆるみがアーサナを広げてくれるのです。
クリパルヨガでは、呼吸と動きの一致が大切にされます。
呼吸の流れに意識を向けながら、
からだを丁寧に感じていくことで、
無理のない、心地よく安定したアーサナが生まれます。
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アーサナを深めようとするあまり、
無理に身体を伸ばしたり、力を入れてしまう人も少なくありません。
けれども、そんな努力は時に逆効果になることもあります。
怪我をすることもあるでしょう。
ポーズの深さにこだわるよりも、
「今、この瞬間の自分」に意識を向けて、
からだの内側で起こる感覚を丁寧に味わってみましょう。
すると、アーサナは「深める」ものというより、
「出会い、楽しむ」ものとして、自分の中に自然に広がっていきます。
リラックスした状態でアーサナを行うことは、
心にもやさしく作用します。
過去の思い込みや未来への不安から解放されて、
「今」にしっかりととどまることができるのです。
このように、リラックスしながらアーサナを行うことは、
からだだけでなく、心の練習でもあります。
自己探求のヨガとしてのクリパルヨガは、
その過程そのものを大切にしているのです。
リラックスすることで柔軟性が高まるだけでなく、
そのやわらかさが、内側からの力強さにもつながっていきます。
無理に力を入れるのではなく、
自然な動きに身を委ねることで、
からだの奥から安定感が生まれ、
結果として、しなやかで力強いアーサナが完成します。
リラックスとは、力を抜くだけではなく、
からだの感覚に意識を向け、自然の流れに調和していくことです。
このプロセスが、
心身をバランスの取れた健やかな状態へ導いてくれます。
クリパルヨガにおける「リラックスの力」は、
からだと心を調和させながら、深い自己探求へとつながっていきます。
アーサナを深めるために一番大切なのは、
「無理をせず、リラックスすること」。
そのリラックスが、あなたのからだを自由にし、
心を穏やかにし、
ヨガの練習をより豊かなものにしてくれるでしょう。
今、この瞬間の自分を感じ、
楽しみながらアーサナを深めてみてください。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。