季節の変わり目になると、
右のお腹に、なんとなく重さや張りを感じることがあります。
強い痛みがあるわけではないけれど、なんだか硬さがあったりすっきりしない。
呼吸が入りにくい気がする。動かしにくい。
食後に違和感が残る。そんな感覚が続くと、
「内臓かな?」
と気になるのは、とても自然なことだと思います。
でも、からだの中で起きていることは、
いつも一か所だけの問題とは限りません。
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東洋医学では、右側のお腹は
”肝”のはたらきと関係が深いと考えられています。
肝は、巡りを整え、流れを保つ役割を担っています。
忙しさが続いたり、気を張る時間が長くなったりすると、
この巡りが滞りやすくなります。
すると、
消化の重さとしてあらわれたり、
眠りが浅くなったり、
気分が落ち着きにくくなったり。
右のお腹の違和感は、
そんな状態を教えてくれているサインのひとつかもしれません。
ここで一緒に見ておきたいのが、「脾」のはたらきです。
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東洋医学でいう脾は、
解剖学的な「脾臓」そのものを指す言葉ではありません。
食べたものを消化し、
必要なものを巡らせ、
からだを内側から支える。
そうした働き全体をまとめて表しています。
言い換えると「脾」は、からだの巡りを支えるはたらき。
整体の現場では、リンパの巡りと重ねて捉えられることもあります。
疲れが抜けにくい。
考えごとが増える。
からだが重たく感じる。
そんなときは、脾のはたらきである巡りが弱っていると捉えられることがあります。
脾は「支える」「保つ」性質を持つため、
足元や内側の安定とも深く関わっています。
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ここで少し視点を変えて、
右足に目を向けてみます。
肝経や脾経は、
足の内側から脚の内側を通って、
骨盤の奥へと続いています。
立ち方や歩き方の癖、
片側に体重を預ける習慣。
足裏で大地を感じにくくなっている状態が続くと、
その影響は、静かに上へと伝わっていきます。
右足の内側が張りやすい。
足の裏に違和感がある。右重心の時に踏ん張りにくいーー
そんな感覚があるとき、
右のお腹の重さと同時に起きていることもあります。
足裏について、もう少し補足しておきます。
「湧泉のツボの少し外」、
指一本分ほど小指側に、反応があらわれていることが多く見られます。
足ツボ、リフレクソロジーでは「反射区」と呼ばれている場所です。
足裏を内臓やからだ全体の状態が映りやすい場所として捉えます。
特に右足裏のこの位置は肝臓の反射区とされています。
(左足では脾臓の反射区)
経絡や経穴とは異なる考え方ではありますが、
触れてみると張りや硬さや違和感として感じられることもあります。
足裏にあらわれた反応を手がかりに、
どこが頑張り続けているのかを見直していく。
そんな視点として、反射区という考え方も役立ってくれます。
さらに、アナトミートレインの視点で見ると、
足裏から脚の内側、骨盤、体幹へと続く筋膜のつながりは、
内臓を包む膜とも関係しています。
右足裏での小さな緊張や偏りは脚の内側を通って、
腹部の深いところへ影響を及ぼします。
それは、重さや詰まり、動きにくさとしてあらわれることが多いものです。
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右のお腹に違和感があるとき。
お腹そのものだけでなく、
足裏や脚の内側に、そっと意識を向けてみる。
それはいつものお腹をほぐすワークをサポートしてくれるものにもなります。
どこが硬く、どこが冷え、
どこが支え続けているのかを感じてみる。なんとなくでいい、感じてみる。
からだは、いつも全体でバランスを取ろうとしています。
右のお腹にあらわれたサインも、
別の場所に目を向けるきっかけなのかもしれません。
この時期の違和感を、責めるのではなく静かに受け取る時間として。
そんなふうに付き合っていけたらいいですね。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
