ヨガと暦と。[小満]
二十四節気(にじゅうしせっき)/小満(しょうまん)
5月21日頃〜6月4日頃までの時期
春から続くいのちの営みが、少しずつ“満ちていく”時期。
二十四節気は「小満(しょうまん)」を迎えます。
「万物、次第に長じて、天地に満ち始める」
そんな言葉の通り、草木はぐんぐんと育ち、
実りの気配や、生きる力の確かさを感じさせてくれる季節です。
田畑の苗も育ち始め、
梅の実はふっくらとふくらみを帯びて、
自然界には“満ちていく”エネルギーが漂います。
人のからだもまた、自然の一部。
この時期は、心もからだも
「外に向かってひらいていく」流れがさらに強まります。
それはとても心地よい変化でもありますが、
季節の変わり目には、気温差や湿度、生活の変化に体がついていかず、
なんとなく“重だるさ”を感じやすいときでもあります。
からだの内側にこもった熱や湿をうまく手放していくこと。
「巡らせる」「抜く」ことを意識しながら、
自分にとっての“ちょうどよいバランス”を整えていきましょう。
この時期にキーワードとなるのが「脾(ひ)」と「肝(かん)」。
脾は五行で「土」、消化や吸収をつかさどり、湿気に弱い性質をもちます。
そして、春の間に活発だった「肝(木)」のエネルギーがうまく整っていることで、
脾がその力を発揮しやすくなります。
春ののびやかな気をやさしく受け継ぎながら、
少しずつ「夏の養生」へとシフトしていくタイミングです。
そんな小満の時期におすすめなのが、
“背中〜体側をゆるやかに広げる動き”です。
「門のポーズ(パリガ・アーサナ)」は、
体側をぐーんと伸ばして、内臓の働きを整えながら、
胸まわりを開いて呼吸を深めることができます。
●今おすすめなポーズは「門のポーズ(パリガ・アーサナ)」
膝立ちになり、右足を横に伸ばします(足先は正面か少し外側へ)。
息を吸って左腕を上に、吐きながら体を右側へ倒し、体側をゆったりと伸ばします。
腰や背中が反らないように、肋骨を引き込みながら。視線は心地よい位置で。
5呼吸ほどキープしたら、反対側も同様に。
背中〜脇のあたりをゆるめてあげると、呼吸が通りやすくなります。
からだの内側の余分な熱を“抜いていく”ように、風が通るイメージで。
ポーズの完成よりも、“今の自分”にとっての快適さを優先してください。
小満の養生ポイントは、、、
・足元の湿気ケアを大切に
湿気が増える季節。足元から冷えやすくなるので、
足湯やレッグウォーマーなどで巡りを助けましょう。
・消化を助ける食材を意識して
とうもろこし、そら豆、大葉、香味野菜など、
消化を助けて湿をさばく食材を日常に。
梅干しやレモンなど酸味のあるものもおすすめです。
・背中をゆるめて、呼吸にスペースを
朝やお風呂上がりに、肩甲骨まわりをやさしくほぐしてあげると、
呼吸も深まりやすくなります。心もゆるむ「背中ケア」、ぜひ習慣に。
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自然界に満ちていくエネルギーとともに、
私たち自身も、少しずつ“今の自分”を育んでいく時期。
背中をゆるめて、呼吸をひろげて、
今あるものをじっくりと「満たしていく」季節に。
やさしく、たしかに。
季節のめぐりに寄り添う、ヨガと養生を。
YOGATO うおざきよしこ