<春のエネルギーを活かす – セルフケアのポイント>
春は新しいエネルギーが芽吹く季節。
陰陽五行論では、「ぱーっ!」と広がる、成長のエネルギーです。
冬の間に溜め込んだものをスムーズに流し、本格的な春に向けて心身を整えていくことが大切です。
東洋医学では、この時期に「肝」とともに「胆」の経絡を整えることが重要とされます。
特に、胆経の流れを意識したセルフケアは、滞りを解消し、
スッキリとした軽やかな状態へと導いてくれます。
胆経は、身体の側面を通る経絡でからだの側面の筋肉や関節、内臓に深く関わっています。
目尻からはじまり頭部から足の小指まで流れています。
(全体的な胆経の解説はこちら
https://yogato.jp/<春の経絡『胆経』>/)
ストレスや疲労が溜まると、このラインに沿って緊張が生じやすく、
結果として首や肩こり、腰の張り、膝の違和感などを感じやすくなることも。
そこで今回は、胆経の要所となるツボを意識したセルフケアをご紹介します。
ここはいつもの「トリガーポイント・ヨガセラピー」の腰痛対策で行っている
セルフケアとつながるので意識してみてください。
1. 顔まわりのポイント
顔には胆経が通る大切なツボがいくつかあります。
特に、「瞳子髎(どうしりょう)」から「風池(ふうち)」のラインは、
目の疲れや頭の重さを和らげるポイント。
「瞳子髎」は目尻の少し外側にあり、
優しく指で押すことで眼精疲労を解消しやすくなります。
また、「風池」は後頭部のくぼみにあります。
ここをほぐすことで首・肩の緊張が和らぎ、スムーズな気血の流れが促されます。
(※ここ、「風池」はいつもの「トリガーポイント・ヨガセラピー」の3つの準備の1番
『頭頸移行部ほぐし』の中指あたりが当たっている部分です。
実はセルフケアのクラスで毎回触れている・・・!重要ということなのです。)
2. 胴体のポイント
次に意識したいのが、前鋸筋(ぜんきょきん)周りのケアです。
前鋸筋は脇の下から肋骨にかけて位置し、肩や呼吸の動きに深く関わる筋肉。
ほぐすことで胸が開きやすくなり、胆経の流れもスムーズになります。
特に、「輒筋(ちょうきん)」や「淵腋(えんえき)」といったツボがあり、
ここを刺激することで、肩周りのこわばりが緩みやすくなります。
(※前鋸筋はいつもの「トリガーポイント・ヨガセラピー」のつの準備の2番
胸の緊張をとるリラックスパートで横の肋骨を撫でるときに自然と触れている部分です。
動きや流れに鈍さを感じる時はもうすこし多めにケアしておくと良いですね。)
さらに、骨盤まわりでは「PSIS(上後腸骨棘)」の周辺をケアするのがおすすめです。
骨盤の中には腸骨筋があり、ここをほぐすことで腰のこわばりが取れ腰痛にも効果が高く、
下半身の流れも整いやすくなります。
特に、「環跳(かんちょう)」や「居髎(きょりょう)」といったツボが胆経の流れに関係し、
腰や股関節の柔軟性を高める効果が期待できます。
(※ここはいつもの「トリガーポイント・ヨガセラピー」の腰痛対策で行っている
腸骨筋ほぐしの始まりです(上部)。セルフケアとつながるので意識してみてください。)
3. 脚・膝下のポイント
脚では、膝下の胆経のラインをほぐすことが重要です。
特に、膝の外側にある「陽陵泉(ようりょうせん)」は
筋肉の疲れを和らげるツボとして知られています。
この部分をゆっくり押して刺激すると、足のむくみや重だるさが軽減し、
スムーズな動きが取り戻しやすくなります。
(※2月18日のおやすみYOGATO[short video] にも出てきます。
見つけやすく、触りやすい場所にあるので便利です。
さらに、陽陵泉の指4本分ほど下にある「絶骨(ぜっこつ)」も重要なツボです。
絶骨は腓骨の下端付近に位置し、足の緊張をほぐし、
全身の巡りを整える効果が期待できます。
特に、神経が(総腓骨神経が「絶骨」のあるあたりに)入り込んでくるので、
この周辺が硬く滞りが生まれると神経が圧迫されて次のような症状が出やすくなります。
・足の甲がしびれや痛み(浅腓骨神経が影響を受ける)
・踵を押し出す動きがやりにくくなる(深腓骨神経が影響を受ける)
筋力が落ちることで動きが低下することもありますが、
酷使して硬さが出ていることから動きが低下することもあるので
視点を広げることも大事ですね。
後者の場合、特に「絶骨」の周りをほぐすことで、こうした症状が和らぐ可能性があります。
陽陵泉と合わせて刺激することで、よりしっかりと胆経の流れを促しながら
脚の不調へもアプローチすることができます。
・ ・ ・
仕上げに「さわさわなでなで」経絡流し。
ツボを意識したほぐしの後は、経絡の流れを整える「さわさわなでなで」がおすすめです。
手のひらや指のはらを使い撫でて流します。
スタートの「瞳子髎」は目尻の少し外側。そこから耳の前の窪み、耳の上、
眉の中心上から、首、肩、胴体、脚へと順に・・・
胆経の流れに沿ってなでるように流しましょう。
滞りを感じる部分は丁寧に流し、呼吸を深くしながら行うことでより効果が高まります。
このセルフケアを取り入れることで、
春を迎える準備が整い、心もからだも軽やかに。
これからの季節に向けて、日々のケアにぜひ取り入れてみてください。
今回は『おやすみYOGATO』はアーカイブコラムの内容に沿って作成していますので、
ゆっくりやってみてくださいね。
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。